2020年9月14日月曜日

第2480話 一杯のコーヒーから (その2)

♪ 一杯のコーヒーから
 夢の花咲くこともある
 街のテラスの夕暮れに
 二人の胸の灯が
 ちらりほらりとつきました ♪
    (作詞:藤原洸)
 
霧島昇とミス・コロムビアが歌った
「一杯のコーヒーから」は1939年3月のリリース。
この頃、世界で何が起こっていたかというと、
ヒトラーがチェコスロバキアを占領し、
フランコがスペイン全土を掌握し、
ムッソリーニはアルバニアに侵攻していた。

それはそれとして、炎天下に急ぎ足のJ.C.、
しまいにゃ小走りときたもんだ。
発車時刻は1323分。
駅改札の時計は22分を指していた。
階段をかけ降りてどうにかセーフ!
ってゆうかァ・・・電車が入線してこない
おかしいと思って
降りたフォームの電光掲示板を見上げたら

1324分発 各駅停車 我孫子行き  

じゃないか! チッと舌打ちして
線路越しに隣りのフォームを見やったら
乗るべき電車のドアが今まさに閉まろうとしていた。

なぜこんな間違いを犯したのか?
理由はかくかくしかじかなり
第一に時間がギリギリだった。
一杯のコーヒーにこの事態を招かれた。
第二に、これが重要なんだが
階段を降りるとき、上り・下りの方向確認はした。
上野・品川方面の文字が見えたので
隣りのフォームを駆け降りた

これが大間違いの元。
普段、上野駅や東京駅を利用しているからこそ
身体に染みついた習性だった。
都内のJR山手線と京浜東北線は
田端―品川間を並走し、異なる路線にもかかわらず、
同方向に走る列車が一つの島式フォームを共有している。

まさか上野・品川方面行きと同一フォーム反対側を
逆の土浦・水戸方面行きが走っているとは夢にも思わない。
快速電車と各駅停車のフォームを取り違えてしまった。
いや、習慣とはまことに恐ろしいものだねェ、
噴き出す汗にまみれて、深く実感した次第なり。