メトロ有楽町線を護国寺で降りた。
いえ、お参りじゃなくて“お食事”です。
護国寺となると、思い出すのは2007年11月。
かつて交遊を重ねたフラメンコダンサー、
長嶺ヤス子サンの公演が境内で行われた。
数十人の僧侶による読経をバックに
小柄な彼女が舞い踊る姿は
鬼気迫る迫力に満ちていた。
本日の昼食はその護国寺正門の並び。
町中華「栃尾」の看板メニュー、朝鮮焼きだ。
朝鮮焼きって何のこっちゃい?
いぶかしむ読者は少なくないでしょう。
J.C.の知る限り、朝鮮焼きを供する店はほかに
横浜・野毛の「庄兵衛」と
北区・上中里の「百亀楼」しかない。
前者は焼きとんカシラの串焼き。
後者は豚バラ肉の炒め。
「栃尾」は後者のソレだった。
あとは戦前の小津安二郎の映画である。
「東京の合唱」(1931)か、
「青春の夢いまいづこ」(1932)だったか、
記憶は定かでないが
いずれにしろ、サイレント映画だ。
とある食堂の壁に“朝鮮焼き”の品札があった。
おそらく串焼きと推測される。
ビール中瓶と朝鮮焼きライスを半ライスでお願い。
「栃尾」よ、お前もか!
嘆きつつ、近頃勢力を伸ばす一番搾りをトクトクトク。
クイ~ッ! 満点ではないにせよ、うめェや。
すかさずもう1杯、うん、うめェネ。
カウンター越しに手渡された皿がズッシリ重い。
おう、おう、大皿にあふれんばかりだ。
スゲェなこりゃ。
上等じゃねェか、ヤッたろうじゃねェか。
腕まくりして朝鮮焼きに挑戦やき。
「鬼龍院~」の夏目雅子じゃないけれど
「なめたら、なめたらいかんぜよ!」
ビールと清湯の助っ人に力を借りて頑張った。
半ライスにしといてよかった。
唐辛子の辛味が際立つが味付けは甘め。
朝鮮焼肉のタレとは味が異なる。
「百亀楼」はサイドに繊キャベだが
豚肉の下にキャベツ&もやし炒めがドッサリ。
屈託を抱えながら歩く音羽通り。
豆大福の有名店「群林堂」に立ち寄るも
名代はすでに売切れていた。
ケースにしょんぼり並んでる栗蒸し羊羹を買う。
これは最近お世話になった、
マンションの管理人サンへのおみやげでした。
「栃尾
護国寺」
東京都文京区大塚5-40-6
03-3945-1264
「群林堂」
東京都文京区音羽2-1-2
03-3941-8281