都営浅草線の終点、西馬込に現れた。
ランチの目ぼしをつけたカフェで
店頭のメニューに目を通すと、
ビールはキリンのホワイトビールのみ。
白だけに白けてしまい、他を当たることに―。
第二京浜(国道1号線)を東に渡って南馬込。
大正末期から昭和にかけて
全盛期を迎えた、馬込文士村の中核エリアだ。
それもすでに過去の話。
散歩する文士に出会うことなどまったくない。
花の無い桜並木を歩いたりしつつ、
食事処を物色するが店はあまりない。
開いていたのは町場の寿司屋2軒、
担々麺専門のラーメン屋、
天丼主体の天ぷら屋、以上4軒のみ、淋しいねェ。
現状を知ったら文士たちも哀しかろう。
ドライのポスターに惹かれ「天ふじ」に入った。
たたずまいから推測して天丼に期待はできない。
でもいいんだ、米飯より麦酒が大切な今日この頃だ。
ワンオペのオバちゃんに
中瓶とランチ天丼(770円)をお願いした。
最も廉価な昼のサービス品である。
内容は、海老1尾、サカナ1切れ、春菊、
なす、かぼちゃ、玉ねぎかき揚げ。
豆腐・大根・ごぼうの味噌汁。
自家製白菜漬け&大根皮醤油漬け。
小さな1切れはイワシと思われるが
品書きにイワシものが見当たらない。
アジフライがあったからアジかもしれない。
天丼はどうにかビールの友になってくれた。
食後は歩いた歩いた、テクテク、トコトコと。
西馬込―馬込―中延―戸越公園―下神明―
大井町―青物横丁―新馬場―大崎―五反田
こう来たらば、いつもの店しきゃない。
泡ナシ生がもう最高、このための長距離散歩だ。
お通しのひじき、焼き鳥のつくね2本だけで
4杯の中ジョッキを飲み下した。
今宵のNHK「うたコン」は宮崎美子が歌うらしい。
五反田駅改札前の「sakana bacca」で
かに・いくら丼を調達した。
つまみながら彼女の歌を聴くとしよう。
酒類販売規制が解除された今も
早帰りのクセが抜け切らないけれど、
果たしていつまで続くことやら・・・。
「天ふじ
南馬込支店」
東京都大田区南馬込5-30-27
03-3775-7695