JR神田駅南口の出世不動通り。
本日のランチは仙台に拠点を置く鯨専門店、
その名も「くじらのお宿
一乃谷」である。
昼の定食は一律980円
刺身3点盛り・立田揚げ・鯨カツ・鯨ステーキ・
鯨づけ丼などが並ぶ。
ほかに刺身5点盛り(尾の身入り)が1500円。
一番人気と思しきステーキを通した。
配膳までの間、壁の貼り紙やら
新聞の切り抜きやら眺めて待つ。
いいことづくしの鯨肉は認知症を防ぐことが
マウス実験で確認されたという。
当店は低温熟成の鯨生肉を少量から販売するとも―。
立派な一皿が整った。
赤身肉はやや薄目なれど、拡がりを見せている。
10切れ以上はあったんじゃないかな。
タレというよりヒタヒタのつゆに浸っている。
1切れ口元に運ぶと驚くほど柔らかい。
牛フィレよりずっと柔らかい。
臭みの“く”の字すらなく、
その美味しさに思わずニンマリ。
キャベツ、サニーレタス、マヨネーズが添えられ、
マヨに七味を振って食べよと店主のアドバイス。
サイドにはリンゴ入りマカサラと温泉玉子。
根菜&わかめの味噌汁。
質・量とも満足の鯨に脇役陣を揃えて
よくこんな廉価で提供できるものだ。
道半ばでやはりビールが恋しくなった。
お運びの小姐(シャオチエ)に訊ねたらドライの中瓶。
いいでしょう、いただきましょう。
すると店主がまたもや声を掛けてきた。
「美味しいお通し召し上がりますか?
赤身のユッケ、500円でけっこうですが・・・」
「食べたいけど、これでじゅうぶんかな?」
ハタと思いついて店主に訊ねた。
「オヤジさん、この鯨はミンクかイワシ?」
「いえ、コククジラ、じゃなかった、ニタリです」
ふ~ん、ニタリクジラかァ。
ここで流れ来たのはペギー葉山の歌声だった。
♪ 国の父さん室戸の沖で
鯨釣ったという便り
わたしも負けずに励んだ後で
歌うよ土佐のよさこい節を ♪
(作詞:武政英策)
「南国土佐を後にして」の3番に
出て来る鯨はおそらくニタリクジラ。
ニタリは土佐沖に定着しているという。
さっきステーキを食べてニンマリしたけど
実際はニタリと笑ってたんだネ、きっと。
「くじらのお宿
一乃谷」
東京都千代田区内神田2-7-6ゆまにビルB1
03-3254-6096