自宅から同じ文京区の千石まで歩いた。
何度も通りすがっていながら
未訪の食堂「さくら」に着いたのは13時過ぎ。
店頭のランチボードに見入った。
刺身盛合せ・秋刀魚塩焼き・フライ盛合せ・
豚肉味噌焼き・カレーライス
要所を的確に抑えたラインナップが光る。
引き戸を引いて入店。
ファースト・アタックはカレーの匂い。
傍らでアンちゃんがカレーライスと格闘中。
スッゴい大盛りだ。
カウンターに着くと
隣りのオジさんが秋刀魚を突っついている。
かなり大きな良型である。
添えてあるのはスダチじゃなくカボスだろう。
非常に珍しいネ。
刺身はカンパチ&炙りサワラ。
食堂で炙りサワラとは只者じゃないな。
フライはアジ&ササミ。
秋刀魚塩焼きはアジ刺し付きだ。
コレに決めた。
一番搾りを承知の上で中瓶を―。
切盛りはおふくろサンと倅(せがれ)のツーオペ。
この倅がビールを通したJ.C.に
「お刺身を先にお持ちしましょうか?」
このことである。
この一言が言えるか言えないか大違いだ。
生アジは得意としないが鮮度高く美味しい。
半身はある上にマグロが2切れ付いて来た。
下手な食堂だと、この一皿で刺身定食になり得る。
立派な秋刀魚が焼き上がった。
半割りのカボスを存分に搾りかける。
大根おろしもたっぷりだ。
小鉢はずいきと油揚げの煮もの。
新香がきゅうり浅漬け&たくあん。
いちょう切りの大根&ほうれん草の味噌汁には
豚肉の薄切りも同居して、いわゆる豚汁仕立て。
ごはんの炊き上がりよろしく、
これで1050円とは、ただおそれ入るばかり。
銀座・日本橋辺りなら1800~2000円は下るまい。
秋刀魚は目のすぐ後ろの背が盛り上がり、
上物であることを立証している。
実際、あふれる美味さだった。
この秋最高の秋刀魚に出逢い、
再訪を心に期した次第なり。
何でもっと早く来なかったんだろ?
「さくら」
東京都文京区千石1-26-4
電話ナシ