2022年6月17日金曜日

第3039話 ”鮫”という名のビストロ

散歩の途中、都営三田線は千石駅近く、
白山通りに面した店の前で足が停まった。
「スクアール・ビストロ」。
チョークでボードに書かれた、
日替わり定食に興味を持った。

常に魚&肉料理の合い盛りを提供するようだ。
イタリアンでいうところのピアット・ウニコだネ。
もっともあちらは
プリモ(パスタ)とセコンド(主菜)だけれど。

見入っていたら中から女性スタッフが現れた。
この日はブランチを取ったため、
昼は抜いて晩酌に備える予定。
その旨伝えてから訊ねてみた。

「スクアールってどういう意味ですか?」
「フランス語で鮫のことなんです」
「エッ、鮫? スゴい名前だな」
「ハイ、初代が始めた頃、
 映画の『ジョーズ』が評判だったようでー」

驚いたネ。
彼女と約束したもので翌週舞い戻った。
その日の日替わりは
スズキのソテー ブールブラン
豚肩ロースのポトフ風 きのこソース

5分と経たずに皿が運ばれる。
わかめスープとバゲット&バターを従えて。
バゲットは3片あり、剛毅だ。
感心したのがタップリのバター。
チャージする店が多いなか、これは素敵なサービス。
ハイ、優良店の太鼓判を押しました。

魚料理でもっとも好きなソースがブールブラン。
白バターを意味する、酸味がさわやかなソース。
肩ロースはえのきを使った白ワインソースだ。

ガルニテュールも実にふんだん。
多彩な野菜にコゴミを発見。
なぜかこんにゃくまでいたヨ。
カクテキ風の大根は
わかめスープともどもコリアンだ。
よって鮫クンは仏日韓のコラボといえる。

これで税込み1200円はお値打ち感満載。
毎週はムリでも、月に一度は顔を出そう。
よく通る道筋につき、
存在は認知していたが入店してよかった。
すべてはオモテに出て来てくれた、
オネバさんのおかげ。
メルシー・ボクー・マダム!

「スクアール・ビストロ」
 東京都文京区千石4-45-18
 03-3945-6821