2022年6月24日金曜日

第3044話 牛肉ぶら下げ 焼き鳥屋

若者行き交うというより
キャツらでごった返す、道玄坂を降りた。
JRと京王井の頭線を結ぶブリッジ下にバスターミナル。
悪名高きスクランブル交差点のすぐそばに
小田急線・経堂行きのバスが停まっていた。

渡りに舟ならぬ、ターミナルにバス。
おっと、こいつは前にも使ったフレーズだ。
どこかに行ければどこでもいい、乗りました。

30分ほど揺られたろうか―。
経堂の一つ手前、梅ヶ丘駅前に当着。
銀座コリドー街で行列の絶えない「美登利寿司」。
その本店がここにあるけど興味ナシ、

ただし、一つ気になる店があった。
いえ、飲食店ではなくてスーパーの「Y’s mart」。
ちょうど丸5年前。
近所の「いこま寿司」で昼食後、立ち寄った。

そのとき精肉売り場で発見したのが
豪州産ステーキ用カイノミだ。
ホタテ貝のように柔かいのでこう呼ばれるが
ヒレに近いバラ肉である。
キレイに肉割れしており、美味を確信。
買って帰って焼いて食べたら二重マル。

アレ、またないかな?
ありました、買いました。
値段は和牛ヒレの4分の1程度なのに
旨さ変わらず、お値打ちである。

ソレをぶら下げ、梅ヶ丘の町を散策。
飲める店とて見つからず、代田八幡、
世田谷代田を経て下北沢まで歩く。

軽くつまんで重く飲める場所はなかなかないネ。
そうだ! 思いついたのは焼き鳥「椿」。
正式名称は「やきとん 椿」らしいが
現在、焼きとんはなく焼き鳥ばかりだ。

代替わりして息子だろうか? おっそろしく不愛想。
これは親譲りだネ。
赤星中瓶を通し、
焼き物はハート(ハツ)とハツ元を塩で。

端々の焼け焦げの苦みが気になる。
真っ当な店はチョキチョキと剪定を施すがな。
逆に言うと、炭火焼きの香ばしさを
とことん味わえ! ってことかもネ。

赤星をお替わりし、みんなが飲んでる、
”焼酎”(実物はレモン割り)を重ね、
鳥もも正肉を追加した。
焦げに目をつぶれば、焼き鳥はみな旨い。
出色のハツ元はクニュクニュの食感がたまらん。

勘定はいくらだったかな?
千円札3枚でオツリをもらったような気がする。
下北から乗り換えなしの一直線、
われ棲む町へご帰還遊ばしましたとサ。

「Y’s mart 梅ヶ丘店」
 東京都世田谷区梅丘1-32-8
 03-5477-5711

「椿」
 東京都世田谷区北沢3-26-4
 03-3469-6879