2022年6月27日月曜日

第3045話 根津のオトメのハイネケン

千駄木・団子坂の本格中華料理店「杏花楼」。
牛めし「松屋」の2階にあるのは知っていたが
何となく階段を上りにくかった。
それでも3カ月ほど前。
上って五目湯麺を食べてみたら好かった。

同じ町に棲む友人を誘い、夜に再訪。
これまた満足し、当欄で紹介するつもりが
気がかりな一品あり。
全メニュー中、唯一のタイトルロール、
杏花炒飯を食べてから稿を上げる気になった。

或る雨の月曜日。
NYみたいに建物の外の鉄製階段を上がると休業。
盆暮れ年初以外は無休のハズだがなァ。

閉じてるドアをこじ開けたら犯罪。
引き返すと目の前のバスストップに
上野松坂屋行きのバスが停まった。
即乗り込んで隣り町の根津へ移動。
普段は歩く距離なれど、雨だからしょうがない。
泣く子と泣く空には勝てない。

上野桜木に続く善光寺坂の町中華「オトメ」。
実に久しぶりの訪問である。
此処はもともと「オトメパン」なるパン屋だった。

13年前、根津に移り住んだときは
すでに中華だったが
お運びをしていた孫娘が話してくれた。
「お爺ちゃんがいきなりパン屋を
 中華にしちゃったんです」ー恨めしそうに。
そうだよねェ、若い娘はパンだよなァ。

とにかく現在は中華。
それも町中華と本格中華の中華ん。
もとい、中間てな感じだ。
数日後「杏花楼」で杏華炒飯を食べるのに
頭も胃袋も炒飯モードでお願い。

メニューに中国の青島とオランダのハイネケンが
”中瓶”とあったので再確認すると、
オネエさんはキッパリ中瓶を宣言。
そうかなァ? 半信半疑でハイネケン発注。

ところが結局は薬局、小瓶が小じんまりと登場。
ハナから黒ラベルの中瓶にしときゃよかった。
彼女にその旨告げると
「あっ、そうですかァ」ー悪びれる様子すらない。
許す、許す、オジさんは許す。
別にネエちゃん、謝っちゃいないがネ。
でも、オネエさんがネエちゃんなってるから
やっぱり不満なんだな。

チャーシュー・玉子・かまぼこ・ねぎ入りの
チャーハンはごくごくフツー。
なんか昔よりオチた感じがする。
爺ちゃんはとっくに亡くなったろうが
パン屋に戻すのが賢明じゃないのかえ?

「オトメ」
 東京都文京区根津2-14-8
 03-3821-5422