2025年9月19日金曜日

第3888話 越後のワインを 酌み交わす

しばらくぶりに S蘭と夕食。
上海生まれのめしともだ。
日本語はほぼペラペラで
実によくしゃべる。
広東出身じゃないかと
疑うほどに饒舌である。

田端駅ビルのコーヒー屋にて
エスプレッソを飲みながら
二人でめし処の選定に入る。
意見の一致を見たのは
御徒町駅前のビル階上、
「吉池食堂」である。

JR山手線で移動。
待ち時間は3分だったが
案内されたのは窓側とは反対、
眺めのまったく無い大部屋だ。

その差は文字通り雲泥で
択ぶことが叶わないのは
当店の大きな欠点である。
まっ、致し方ないやネ。

S蘭は15時に勤務先で
賄いを食べて来たし、
J.C.も少食ときては
注文は自ずと控えめになる。

当方はさっそくドライ中瓶だが
相方はほとんど酒を飲まない。
辛うじて赤ワイン少々。
越後ワイン雪季を1本取った。
彼女が飲み切れるハズもなく、
酌み交わすことになる。
けれどあまり美味くなかった。

新潟・黒崎産茶豆、
北海さつま揚げ、
時鮭のポテトフライをお願い。
コレはフライドポテトではなく、
ポテサラを時鮭の薄切りで包み、
パン粉を付けて揚げたもの。
独創性が気に染まり、
来れば頼むの一品となった。

越後の赤が残り少なくなり、
J.C.は日本酒に切り替える。
まずは好きな銘柄、
麒麟山のグリーンボトル。
続いてこれまた気に入り、
冷たい越乃寒梅と来たもんだ。

おしゃべりな真珠ならぬ、
S蘭が咲かせた、
上海の思い出話に耳を傾けるうち、
上野の夜は更けていきました。

「吉池食堂」
 東京都台東区上野3-27-12
 御徒町吉池本店ビル9F
 03-3836-0445