2025年11月28日金曜日

第3938話 浅草の裏から表 そしてまた裏 (その2)

「梅月」は天ぷらで飲むのが一番。
相方はキス・ナス・野菜かき揚げ。
当方はキス・ピーマン・インゲン。
2人で中瓶4本を空け、
相方のかけそばを
ちょっと貰って河岸を代える。

千束通りを突っ切り、
浅草5・6丁目界隈を徘徊して
馬道を真っ直ぐ南下。
街のランドマーク、
浅草1丁目1番地1号、
「神谷バー」へやって来た。

ドライ大瓶を分け合いながら
J.C.は電氣ブラン・オールド。
強い酒を飲まぬ相棒には
蛍烏賊沖漬けをビールの友に。

1時間ほど滞空し、
今来た馬道を北に戻る。
久しぶりの「ニュー王将」へ。
今日は浅草の裏から表、
そしてまた裏に戻ったわけだ。

当店は数カ月前に観音裏の奥、
山谷堀公園そばに移転した。
馴染みといえども人気店につき、
予約は入れてある。

カウンターに陣を取り、
シェフ・やっチャン、
マダム・たよチャン、
娘・M美の家族3人と
しゃべくりまくる。

此処に来るといつもこうだ。
初訪問のツレは
毒気に当てられたように
呆然と見つめるばかり。

メンチカツとカニサラダで
しこたまビールを飲んだ。
新しく出来た散歩の友人は
泡ともでもあるからネ。

さんざ歩いたのに帰りも歩く。
馬車道と千束通りを横断し、
国際通りを北上する。
三ノ輪駅前にやって来て
本日の振り出しに戻った。

其処からは明治通りを一直線。
宮地の交差点を左折して
道灌山通りを真っ直ぐに
西日暮里に到達した。

振り返れば、およそ半月前。
出逢ったその日に
此処で握手して手を振った。
今宵は握手の代わりにハグ。
ほうら、予想した通りだろ?
ってか?

いえ、いえ、あくまでも
彼女は泡とも&歩きとも。
過度な期待はしないで下さい。
帰宅後覗いたスマホの万歩計は
2万5千を超えておりました。

「梅月」
 東京都台東区千束4-27-12
 03-3872-7588

「神谷バー」
 東京都台東区浅草1-1-1
 03-3841-5400

「ニュー王将」
 東京都台東区浅草6-43-4
 03-3875-1066

2025年11月27日木曜日

第3937話 浅草の裏から表 そしてまた裏 (その1)

南千住を歩いた翌日。
散歩の友人・N子サンと再会。
12時ちょうどに
三ノ輪駅前で落ち合った。

読者の方々もなぜか
彼女のことが気になるらしく、
ー旅先で出会うといい仲になる
ーN子さんとの行く末に注目
ーJ.C.さんもいよいよ婚活か?
ー華燭の典も間近かな?
こんなメールだらけ。

この手の話題に
飢えているのか?
他人の恋愛に
そそられてしまうのか?
勝手に先っぱしる読者が
多くて困ったものよのぉ!

それはそれとして
土手通りを南へ歩く。
前日にも来た日本堤1丁目を
通り過ぎ吉原大門に到達。
いつ見ても哀れを誘う、
見返り柳を尻目に
吉原のメインストリートを往く。

此処はソープ街の真ん中だ。
驚いたことにN子は
歩いたことがあるという。
「んん? 面接に来たの?」
「んなわけないじゃない」
「いや、ほら、シニアの部とかサ」
「バカじゃないのっ!」

吉原神社には足を踏み入れず、
一礼してスルー。
弁財天にやって来た。
こちらは好きなスポットで
心の安らぎを覚える。

小さな池に立派な鯉が泳いでいる。
この池は以前、もっと大きかった。
関東大震災の際は
烈火に追われた遊女たちが
次から次に飛び込んで重なり、
多くの命が失われた。

花園通りを北上し、
ソープ街のど真ん中へ。
信楽焼の狸に迎えられ、
暖簾を潜ったのは
当欄でも何度か紹介した、
日本そば「梅月」。
吉原の馴染みは当店だけだ。

待ち人も無く、
すんなり入店できた。
即刻、中瓶をお願い。
今日のお通しは立派なあん肝。
たぶんサービス品だろうが
大したもんだヨ、この店は!

=つづく=

2025年11月26日水曜日

第3936話 竜泉・南千住を歩く (その2)

円通寺の境内に佇む。
前話でも触れた吉展ちゃんは
誘拐された直後、
此処で殺害されて
2年後、白骨化した遺体が
寺の墓地で発見されたのだ。
合掌。

日光街道を北に向かい、
南千住署のある千住間道を左折。
コッペサンドの「青木屋」へ。
当店はコッペパンとは呼ばず、
”ほっかほかのジャンボパン”
そう、自称している。

せっかくだから買っとこう。
コロッケ・ハムカツ・
メンチカツなどある中、
とんかつパンを一つお願い。

大きさがあるため、
その夜半分、翌朝半分に分食。
パンはほっかほかより、
ふっかふかの感じだ。

今は昔、大毎オリオンズの本拠地、
東京球場の跡地に建つ、
荒川総合スポーツセンターを
通過してすぐ、間道沿いのそば屋、
「大黒屋儀右衛門」の店先で
足が止まった。

勇ましい屋号とは裏腹に
一見して小体な佇まい。
何度か通りすがって
存在を認知しているが
利用したことはない。
入ってみようかな。

狭い店内はカウンター5席に
4人掛けが2卓だけで
立ち食いそばに毛の生えた程度。
こんなこと云ったら
儀右衛門さんの怒りを買って
手打ちにされるかもネ。

ビールは一番搾りの小瓶のみ。
もりそばとともに通した。
待つ間、品書きの一筆に
目が留まる。

当店の『つゆ』は下総の国、
関東最古1616年創業の伝統ある
御用蔵醤油を使用しております

ふ~ん、そうですか。
でもネ、わが舌に合わなかった。
そばも悪くはないが
こんなものかな? てな感じ。
池之端の行きつけの有難さを
あらためて実感したことでした。

「青木屋」
 東京都荒川区南千住6-47-14
 03-3807-4517

「大黒屋儀右衛門」
 東京都荒川区南千住1-44-2
 03-3806-0598

2025年11月25日火曜日

第3935話 竜泉・南千住を歩く (その1)

錦糸町行きの都営バスを
浅草の奥座敷、竜泉で降りた。
竜泉と千束の境目を歩き、
日本堤1丁目の交差点。
此処は土手通りだ。

小唄「梅は咲いたか」。
♪ 舟から上がって 
  土手八丁 
  吉原へ ご案内! ♪
あの土手である。

南下すれば、
吉原大門と見返り柳だが其処は
散歩の友人と翌日に訪れる予定。
北へ向かい、明治通りを右折して
泪橋にやって来た。
「あしたのジョー」の町である。

泪橋を左折し、南千住駅方面へ。
吉展ちゃん地蔵と首切り地蔵が
並存する回向院前を往く。
この道はコツ通りと呼ばれ、
工事中に人骨が
ザクザク出て来たそうだ。
何せ、小塚原刑場の跡だからネ。

小塚原の別名は骨ヶ原。
処刑された遺体は
野ざらしにされたものも多く
野良犬、狐狸が食い散らし、
阿鼻叫喚の地獄絵さながら
だったという。

世界最大の都市だった江戸。
しかるに当時の人権基準は
現代の日本人の感覚にほど遠く、
欧米人が眉を顰める低劣さ。
明治6年に刑場が廃止されるまで
実に20万人以上の罪人が
処刑されている。
南無阿弥陀仏。

南千住仲通りを抜け、
日光街道に出て来た。
沿道の円通寺の境内に
足を踏み入れると
高さ12mの菩薩像がお出迎え。

この寺は彰義隊とゆかりが深く、
隊士たちの墓標に加え、
上野寛永寺の表門だった、
黒門も移築されており、
弾痕露わな姿が痛々しい。

=つづく=

2025年11月24日月曜日

第3934話 美女軍団とフレンチ・ディナー

この夜は3人の美女と
茅場町のビストロにて夕食。
J.C.は黒一点で
"掃き溜めに鶴" ならぬ、
"お花畑に亀" である。

「Harumidori 28」は
何でこんな店名にしたのか、
まったく意味不明なれど
ワンオペの無口なシェフが
忙しそうに立ち働いている。

あとで店名の由来を
訊こうと思いつつ、
つい忘れて訊きそびれた。
以前、店舗が晴海通りにでも
在ったのだろうか?

ビールは黒ラベル小瓶。
4人揃って最初の乾杯。
今夜の幹事のH公が
3800円のコース料理を
予約してくれていた。

壁のメニューボードには
シュリンプ Hot サラダ
舌平目のソテー
鶏胸肉のロースト
デザート
とあり、割安感が漂う。

白ワインは
ブルゴーニュのシャルドネ。
赤ワインは
同じくブルゴーニュの
ピノ・ノワールを通すと
アウト・オブ・ストックで
コート・デュ・ローヌに変更。

最初の一皿が J.C.を魅了する。
サニーレタス中心の葉野菜の下に
数尾の小海老が散らばり、
ここまでは当たり前だが
そのまた下に潜んでいたのは
ズワイ蟹のほぐし身である。
一同感激し、白で2度目の乾杯。
舌平目もなかなかの出来だった。

赤に移行して3度目の乾杯だが
残念だったのは
火の通り過ぎた鶏胸肉。
まっ、毎晩月夜とは限らんし、
一皿くらいこういうのが
在っても致し方あるまい。

デセールは
細かいかき氷の下に
柚子風味のカスタード。
実にユニークな一品が
チキンの失点をカバーする。

コーヒー・紅茶、
二派に分かれて締め、
支払いは1人8千円弱。
楽しい一夜を
過ごすことができ、
美女連に感謝です。

「Bistro Harumidori 28」
 東京都中央区茅場町2-14-7
 日本橋テイユービルB1
 03-6231-1553

2025年11月22日土曜日

◎土曜特別版 恥ずかしいったら ありゃしない

トンデモないことが
判明いたしました。
昨日(21日)の午後のことです。
読者の田中ひであきサンから
かようなメールを頂戴致しました。
ご本人の許可を得ましたので
全文紹介させていただきます。

いつも楽しく拝見しています。
田中と言います。
オカザワ様が使用している、
プラットフォームはgooではなく、
googleのものではないでしょうか?
URLが、googleがやっている、
ブログアドレスになっています。
もしgoogleなら、
まだまだ拝読できるので
うれしい限りです

さっそく返信させて
いただきました。

田中さん、そうだったんですネ。
われながら
トンチンカンこの上なく、
赤面に冷や汗をかいています。
ワイン仲間の東工大卒業生2人に
ブログの引っ越しを
相談したところ、
goo ブログだと言われ、
鵜呑みにしておりました。
ヤツらはいったい何のために
いい大学を出たんでしょうネ?
いずれにしろ
ありがとうございました。
田中さんからいただいたメール、
ブログで紹介しても
よろしいですか?

ということなのです。
結局は薬局、大山鳴動して
鼠一匹出なかったワケです。
浪花の小姑からは
卒業出来ずに
留年で良かったやないの。
なんて皮肉られる始末。

恥ずかしいったらありゃしない。
愚かさを恥じ入るばかりですが
救世主・田中さんには
感謝・大感謝・巨大感謝しか
ございません。

今日のために書き上げた原稿は
月曜日に回しました。
悪しからず。

2025年11月21日金曜日

第3933話 その夜はリユニオン

意味不明ながら幸いにも
ブログをまだ続けている。
いけるとこまで
いくことにしましょう。

散歩の友人・N子サンと
滝野川のバス停で別れ、
当方は宴の場へ。
今宵は年3回ほどのペースで
催されるTBSリユニオン。

会場はなじみを超えて
ほぼ毎週立ち寄る「豫園飯店」。
毎度、場所択びは J.C.の仕事。
メンバーは常に7人なので
出来れば丸卓が望ましい。

すると中華料理店が多くなる。
直近の過去2回も
千代田区・神保町「源来酒家」、
荒川区・日暮里「又一順」。
今回は北区・滝野川だ。

スタートの18時に全員集合。
金融&マスコミ関係者らしく
時間厳守である。
生派・瓶派に分かれつつも
揃ってビールで乾杯。

卓に椅子は8脚。
普段、夜には出勤しない、
J.C.のめしとも・S蘭に
来るよう頼んでおいた。

彼女は当店の看板娘ならぬ、
看板オバさんだが
夜に出るのは実に
数年ぶりのことだと云う。

料理を取り分けたり、
紹興酒を注ぐだけでなく、
席に着いて会話にも
参加してもらう。
ホステス状態の紅一点は
まさしく掃き溜めに鶴だった。

冷菜盛合わせに始まり、
乾焼蝦仁・青椒肉糸・
腰果鶏丁・小龍包子などが
次々に着卓する。

中でも本日の主役は
鮑のオイスターソース。
どんこ&マッシュルームに
ブロッコリ入りである。
高菜炒飯&蛋花湯で締め、お開き。

S蘭も含めて総勢8人、
王子駅へと歩く。
すると先行の5人が
本郷通りが明治通りに
吸収される地点、
飛鳥山のふもとの交番前で
横断歩道を逆方向へ渡ってゆく。

ずいぶん先を行くため、
大声で呼び止めなかったが
その夜、再び彼らの姿を
見ることはなかった。

集団で徘徊してご近所に
迷惑をかけることだけが
懸念されたけど
交番の真ん前だから
たぶん大丈夫でしょうよ。

それはそうと、いつ突然、
打ち切られるやも知れぬブログ。
よって生きてるうちは精一杯、
生きてやろうと、土・日も
アップすることにしました。
19年間で初めてのことです。
もっとも生きていればの話ですが
ではまた明日!

「豫園飯店」
 東京都北区滝野川2-7-15
 03-5394-9951

2025年11月20日木曜日

第3932話 歩き続けて3万歩

二人で歩く赤塚の町。
最初に訪れたのは乗蓮寺だ。
此処には東京大仏が
鎮座ましましている。

以前、隣り町の成増に
棲んだので何度か来たが
数十年前のこと。
久しぶりである。

漫画家・弘兼憲史に
「ハロー張りねずみ」という、
初期の作品があり、
舞台はこの町の
「あかつか探偵事務所」。
好きな作品だった。

大仏さまはこんなに
黒かったかな?
デカかったかな?
思いつつも、手を合わせた。

お次は赤塚公園の赤塚城址。
石段を上った天守址は野ッ原。
サッカーのピッチさながらだ。
下ってふもとの溜池には
カルガモが十数羽泳いでいた。
生き物好きの J.C.の心を
和ませ、慰めてくれる。

東西に延びる赤塚公園を
志村方面に抜けるつもりが
何処でどう間違えたか
下赤塚駅に戻っちまったヨ。
予定を変え、東上線沿いを
南下することにした。

東武練馬・上板橋・ときわ台。
富士見街道を行けばいいのに
クルマの多い環七を東へ。
板橋本町で旧中山道に入った。

此処は江戸四宿の一つ、
板橋の上宿(かみじゅく)。
縁切り榎の脇の日本そば屋、
「長寿庵」の店先を掠め、
石神井川に架かる、
その名も板橋に到達。
板橋区の名はこの橋が由来だ。

橋を渡れば仲宿だが
渡らずに石神井川のほとりを
王子に向けて歩みを進める。
この時点でスマホを覗くと
歩数は3万歩を超えていた。

N子サンはかなりの健脚。
恰好の歩き友だちが
出来たことを素直に歓びたい。
つき合いは長く続くことでしょう。

2025年11月19日水曜日

第3931話 何でこうなるの?

goo ブログは
昨日で終わったハズなのに
試しに打ったら
今日もアップ出来てる。
どうなってんの?

docomo のやることは
たまに間が抜けることがある。
それじゃ何か書こうかな?
てなこって今、
急遽、一筆したため始めました。

お別れのご挨拶を
済ませたっていうのに
何でこうなるの? 
トンチンカンな話だぜ、ったく。

それでは昨日の行動でも
書きましょうかネ。
と、現状はここまでー。
のちほど仕上げまする。

昨日は昼も夜も予定が入っていた。
先日、木曽路&駒ケ根の旅で
知り合ったN子サンと初デート。
待ち合わせたのはメトロ有楽町線、
地下鉄赤塚4番出口に12時15分。

徒歩1分の「キッチンE&M」へ。
入口はいかにも小料理屋。
コレは居抜き物件に相違ない。
中へ入るとなかなかのスペースに
席も8割方埋まっていた。

着卓してさっそく赤星中瓶。
彼女はビールと街歩きが大好き。
J.C.の好みとピタリ合致する。
グラスをカチンと合わせた。

注文は相方が
チキンマカロニグラタン。
当方は
ポークジンジャー&ライス。
それを分け合う。

中瓶は次々に空き、
結局は薬局、4本飲んだ。
料理も悪しからず。
ちゃんと水準に達していた。

この日は夜に宴の予定。
それまでたっぷり時間がある。
さて、街歩きのスタートだ。
赤塚中央通りを真っ直ぐに
北上してゆく二人であった。

「キッチンE&M」
 東京都練馬区田柄2-32-21
 03-6904-0509

注:今日はアップ出来ましたが
  突然の終了が懸念されます。
  その点ご留意の上、
  お読み下され。
  明日はどうなることやら?

2025年11月17日月曜日

第3930話 祝・卒業の赤飯が・・・

♪ 今日でお別れねもう逢えない
  あなたも涙を見せてほしい ♪

今日でみなさんとお別れです。
祝・卒業のお疲れさん! 
そんな思いも込めて
最後はめでたいモノを何かー。
そうだ! 赤飯で締めよう。

出掛けたのは門前仲町。
深川不動堂の参道入口にある、
明治40年創業の「伊勢屋」。
時刻はまだ11時半だった。

鯛の尾頭付きに赤飯とも
思ったが此処に鯛など
居るはずもない。
代わりの品は赤飯幕の内。
電話で有無を確かめておいた。

四人掛けにポツンと一人。
ドライ中瓶とともに通すと
お運びのオバちゃん、
一瞬たじろぎを見せて
「ソレは無いんですのよ」
「エエ~ッ! 電話で確かめて
 来たんですよぉ!」
「ソレはお持ち帰り用です」

ガッビ~ン! 
筋書きに狂いが生じた。
でも、せっかくの深川だから
気を取り直し、
深川あさり飯に転じた。

そこそこ美味しくいただき、
赤飯幕の内をみやげに買い求め、
その夜「水戸黄門」を見ながら
これもそこそこ美味しく食べた。

断筆の告知以来、読者の方々から
たくさんのメールを頂いている。
残念だ! ショックだ! 
悲しすぎる! あんまりだ!
身に余る光栄に
感謝の言葉が見つかりません。

昨夜も目頭が熱くなって
不覚にも落涙。
おっと、これは小肌の山葵が
効いたのでした。
でも、胸にジンと来ています。

♪ どこのどいつが埋めたか
  胸にジンとくる谷中の秋だ ♪

海の向こうでも
シンガポール・香港・ドイツ・
米国・メキシコはじめ、
各国の方々が読んで下さり、
強く元気づけられました。

殊にシンガポールは
ときとして日本のアクセス数を
上回るほどでした。
人口比だとトンデモない数です。

と思ったら先週13日は
香港で1日1万件を
優に超えるアクセス。
それが14日には2万に近づき、
週が明けても衰えを見せません。

何やら不気味にすら
なってきました。
こんなことは過去に
一度も無かったことです。

ご承知のように当ブログは
インスタなどと異なり、
一度開けたら読み終えるまで
読み手に相応のご負担を
掛けることになります。

一体全体どんな方が
読んで下すっているのか?
香港で何が起こっているのか?
閉店前の駆け込み需要かな?

名残りは尽きませんが
それではみなさん、
いつかまた逢う日まで
ごきげんよう!

「深川伊勢屋本店」
 東京都江東区富岡1-8-12
 03-3641-0695

=最後の告示です=
長年お世話になった、
goo ブログ が終了しました。
考えた末、これを機に
断筆を決断しました。
こういうものは
いつか終わりが来るものです。
2006年6月、邱さん時代の
「食べる歓び」に始まり、
’11年3月からは「生きる歓び」。
19年間に渡り、土・日以外は
1日も休まず綴って参りました。
長い間のご愛読に
心より感謝申し上げます。
一時期、収拾がつかなくなり、
外しておいたメルアドを
表示しておきます。
対応する時間も出来ましたし、
お便り、お待ちしております。
本当にありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com
また何か始める際は
連絡させていただきます。

第3929話 心に刺さった 石川さゆり

あれは1980年、金融業界に
足を踏み入れた年のことだから
よお~く覚えている。

勤務先は英系マネーブローカー。
オフィスのあった、
港区・神谷町の居酒屋で
三度続けて聴いた曲があり、
サビの部分だけが
耳にこびりついていた。

♪ 寒い あなた 寒い ♪

ときどき思い出すものの、
タイトルはおろか、
誰が歌ったのかも判らない。
以前、一時期つき合った、
元アイドルや彼女の所属する、
プロダクションの社長にも
訊いたが彼らすら知らなかった。

先月末のことである。
その曲が夢に出て来た。
ダメ元でサビの部分
ググッてみたら
驚いたことに、ビンゴ!
予期せぬシアワセに
小躍りして即、
 You Tube の巻である。

♪ 一年 そして 二年
  三年越しの 恋は重い
  捨てきれず 踏みきれず
  流れのままに 過ぎて
  ガラス窓の外は 雪に昏れて
  人の影も 渡り鳥に見える
  寒い あなた 寒い
  今のままでは 凍えます ♪
   (作詞:阿久悠)

歌っていたのは何と石川さゆり。
45年間もノドに心に
刺さっていた小骨が
ようやく取れて身も心もスッキリ。

行きつけカラオケスタジオ、
よみせ通りの「グランプリ」。
常連のマドンナ、A美チャンに
覚えて歌って貰えるよう、
お願いしたくらいだ。
隠れた名曲につき、みなさんも
ぜひ、聴いてみて下さい。

それでは例によって
彼女のベスト5いきます。

① 流氷
 (阿久悠/中村泰士)
② 能登半島
 (阿久悠/三木たかし)
③ 暖流
 (阿久悠/三木たかし)
④ 鴎という名の酒場
 (阿久悠/中村泰士)
⑤ 風の盆恋歌
 (なかにし礼/三木たかし)

阿久悠の偉大さを再認識。
三木たかしと中村泰士もスゴい。
今日は「流氷」を
幾度も何度も聴きながら
この原稿を書きました。

=再び告示です=
長年お世話になった、
goo ブログ が
明日18日で終了します。
考えた末、これを機に
断筆を決断しました。
こういうものは
いつか終わりが来るものです。
2006年6月、邱さん時代の
「食べる歓び」に始まり、
’11年3月から「生きる歓び」。
19年間に渡り、土・日以外は
1日も休まず綴って参りました。
長い間のご愛読に
心より感謝申し上げます。
一時期、収拾がつかなくなり、
外しておいたメルアドを
表示しておきます。
対応する時間も出来ましたし、
お便り、お待ちしております。
重ねてありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com
また何か始める際は
連絡させていただきます。

2025年11月14日金曜日

第3928話 魚貝三種が みな好物

この日も例によって不忍通りで
都営バスの2方向4面待ち。
最初に来たのは浅草寿町行き。
三河島・荒川区役所・三ノ輪・
竜泉・千束、終点の寿町、
沿線、どこでもいいゾ。

推量をめぐらせながら
ふと思って西浅草3丁目下車。
今日は初訪の店に行こう。
さすれば観音さま周辺よりも
西浅草のほうが好都合だ。

エリアのメインストリートは
七夕で知られるかっぱ橋本通り。
その1本南側を歩いた。
居酒屋「ドロン」の看板が見える。
入ったことはない。

店頭に立つと営業は夜のみ。
そのすぐ隣りに
昼食メニューのボードあり。
「和創彩 ゆゆ」で
普段、こういう名前の店は
敬遠するが或る一品に
強く惹かれてしまった。
ラインナップを紹介しよう。

① 海老・キス・野菜天丼 ¥1500
② 大かます開き干し焼き ¥2200
③ 天然かんぱちの漬け丼 ¥1500
④ かつお・小肌・
   活赤貝の海鮮丼 ¥1500
⑤ あじ・かき・海老の
  ミックスフライ ¥1500
⑥ お刺身5点盛り ¥1700

読者ならもうお判りですネ?
迷わず④番です。
三種揃って好物ですから。
ドライ中瓶とともにお願い。

若き店主のワンオペにつき、
調理には時間が掛かった。
一人の先客も同じ注文で
二人分が同時に出来上がる。

ん? 他のものが一切れづつ。
「これはスルメイカとイサキ?」
「エッ? そうですが
 イサキってよく判りましたネ、
 サカナ関係のお仕事ですか?」
「いや、そうじゃないけど
 肉より魚が好きなだけ。
 皮目に特徴があるから
 イサキは判り易いよネ」

そこから話に花が咲いた。
仕入れは豊洲に出向くと云う。
「ボク、食にウルサい人、
 大好きなんですっ!」
笑顔の店主と再訪を約して
いとまを告げる。

肝心の海鮮丼の水準は
極めて高いものがありました。 

「和創彩 ゆゆ」
 東京都台東区西浅草2-16-5
 03-5936-6489

=再び告示です=
長年お世話になった、
goo ブログ が
今月18日で終了します。
考えた末、これを機に
断筆を決断しました。
こういうものは
いつか終わりが来るものです。
2006年6月、
「食べる歓び」に始まり、
’11年3月から「生きる歓び」。
19年間に渡り、土・日以外は
1日も休まず綴って参りました。
長い間のご愛読に
心より感謝申し上げます。
一時期、収拾がつかなくなり、
外しておいたメルアドを
表示しておきます。
対応する時間も出来ましたし、
お便り、お待ちしております。
重ねてありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com

2025年11月13日木曜日

第3927話 町屋の仇を 駒込で討つ

荒川区・熊野前から
同・町屋の荒木田交差点を
結ぶ旭電化通り。
都立大荒川キャンパスや
尾久の原公園があるが
わりと寂しい道筋だ。

北千住行きのバスに乗っていて
車窓から見掛けたのが「千秋庵」。
そのそば屋に行ってみた。
鰻の寝床みたいな細長い造りで
個室風になっていた。

生桜海老かき揚げと
もりそばで中瓶2本を飲んだが
イベリコ豚のメニューが目立つ。
豚丼・かつ丼・開化丼に
生姜焼きまで揃っている。

これはトライしてみよう。
思って再訪したら
小さな店に5人ほど順番待ち。
諦めて数週後、舞い戻ったが
やはり行列の憂き目にあい、
人の好い J.C.もさすがに
堪忍袋の緒がプッツン。
以後、ほったらかしである。

後日、これまたバスの車窓から
見初めた上富士前の「松月庵」。
壁に貼られた品書きに
イベリコ豚肉せいろを発見。
渡りに舟とばかり発注に及ぶ。

そば屋にありがちな大瓶を
飲みながら待つこ5分。
着卓した温つゆと冷そばは
見映えがとてもよろしい。

ちりちりに縮こまったバラ肉と
南蛮切りの長ねぎが浮き沈み。
彼らを救う浮輪の如く、
三つ葉が文字通り3葉散る。

うむ、なかなかであるゾ。
日本には旨い豚肉が
いくらでもあるのに
わざわざスペインから
輸入するのはこの美味だからこそ。

スペイン料理屋以外で
あまり見掛けないイベリコ豚。
町屋と本駒込のそば屋が
揃って提供するのは
単なる偶然だろうか?

いや、そうではあるまい。
そば屋連盟の会長か誰かが
推奨したんじゃないかな?
いずれにしろ、
町屋の仇を駒込で討ちました。

「千秋庵」
 東京都荒川区町屋5-7-27
 03-3895-7089

「松月庵」
 東京都文京区本駒込2-28-30
 03-3941-5403

=再び告示です=
長年お世話になった、
goo ブログが
今月18日で終了します。
考えた末、これを機に
断筆を決断しました。
こういうものは
いつか終わりが来るものです。
2006年6月、
「食べる歓び」に始まり、
’11年3月から「生きる歓び」。
19年間に渡り、土・日以外は
1日も休まず綴って参りました。
長い間のご愛読に
心より感謝申し上げます。
一時期、収拾がつかなくなり、
外しておいたメルアドを
表示しておきます。
対応する時間も出来ましたし、
お便り、お待ちしております。
重ねてありがとうございました。
   J.C.オカザワ
j.c.okazawa@gmail.com

2025年11月12日水曜日

第3926話 とげぬきに 来れば「ときわ」の 世話になる

この日は食欲が無かった。
朝食の量が普段の半分。
昼を過ぎても腹が空かない。
取り合えず散歩しよう。

不忍通りでバスの両面待ち。
通り東側のバス停からは
上野松坂屋 or 池袋東口。
西側は早稲田 or 浅草寿町。
最初に来た池袋行きに乗った。

いつものように乗ってから
行く先を思案する。
巣鴨・西巣鴨・上池袋、
終点の東口でもいいや。
降りたのは巣鴨駅の一つ先、
とげぬき地蔵前だった。

此処はお婆ちゃんの原宿。
地蔵通りを北へ歩く。
身体に棘は刺さってないので
お地蔵さまを素通り。

スマホが教えてくれる時刻は
14時半にならんとしていた。
腹は空かないが
ガスは切れかかっている。

J.C.にとってのビールは
クルマのガソリン、
あるいはスマホの充電に
匹敵するほど大切なものだ。

一本道を北上して庚申塚。
「巣鴨ときわ食堂 本店」は
お地蔵さまのはす向かいだが
こちらには倅が営む、
「庚申塚店」がある。
巣鴨に来れば、お世話になる。

今日も暖簾を潜った。
まずはドライ大瓶で一息つき、
ミニしらすおろし、
カキフライ1個、
自家製タルタルソースを列注。

ミニ盛りメニューが
何品か用意されており、
たくさん飲むけど
あまり食べない身には有難い。

特段、料理に魅力を感じないが
ミニのおかげで
使い勝手がとてもよろしい。
本日もお世話になりました。

「巣鴨ときわ食堂 庚申塚店」
 東京都豊島区巣鴨4-33-2
 03-3576-2269

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2025年11月11日火曜日

第3925話 滑って転んだ 千畳敷カール

ソースかつ丼のあと
バスとロープウェイを乗り継ぎ、
駒ヶ根千畳敷カールにやって来た。
カールというのは遥か昔、
氷河によって削られ、
お椀状になった地形のこと。
それが千畳ぶんも拡がっている。

標高2700mは雪が積もっていた。
歩き始めると滑るのなんのっ!
他の連中は事前の準備よろしく、
みなさん登山靴と来たもんだ。
総勢37名中スニーカーはわれ1人。

昇りはまだしも、降りはヤバい。
結局、滑って5回も転んだぜ。
自慢じゃねェけどよッ!
幸い怪我はなかったが
こんなのアリかい?

呑気な旅行社は
気温が氷点下になるから
防寒着の準備を怠るな!
そればっかりで靴の指摘が
不十分じゃないかえ?
気温なんか6度もあったぜ。

何とかロープウェイの駅に
たどり着き、そこのカフェ。
N子サンがビールはやめて
コーヒーにしようと
云うんで素直に従った。

帰りの駅や空港へは早めに
到着するのがツアーの常。
遅れたらエラいこっちゃだ。
茅野駅で50分も余裕があった。

N子サンを誘って駅ビル内、
「モン蓼科」なるレストランへ。
山菜そばとシュリンプピザを
分け合いながらビールを飲む。

驚いたのは帰宅の途だ。
彼女の自宅の最寄り駅は
日暮里・舎人ライナーの終点、
見沼代親水公園と来たもんだ。
二人してJR西日暮里で下車。

今朝、声を掛けられた御仁と
同じ駅でお別れなんて
単なる偶然とは思えない。
目に見えぬ赤い糸で
結ばれてるんじゃないかな?

「モン蓼科」
 長野県茅野市ちの3502-1
 ベルビア2F
 0266-73-0100

=再び告示です=
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2025年11月10日月曜日

第3924話 旅は道連れ 世は歌に連れ

翌朝は8時にホテルを出発。
その際、ツアー同行の女性に
声を掛けられた。

「ずいぶん荷物が少ないですネ」
「エエ、余計なものは無いです」
 化粧道具も無いしネ」
「アハッ、少な過ぎじゃぁ?」
「パンツと靴下と洗面用具、
 あとはスマホの充電器だけ」
「男の人ってうらやましいわ」

最初に訪れたのは
長野県第二の名刹、光前寺。
なんだか名前まで
善光寺に似ている。
此処には伝説の狼犬(山犬)、
早太郎が祀られている。

光前寺前のみやげ物屋で
赤飯まんじゅうというのを
振る舞われた。
甘めのまんじゅうの中は
餡子の代わりに赤飯。
珍妙ながら不味くはなく、
缶ビールで流し込んだ。

大沼湖と駒ヶ池のほとりを
速足でぐ~るぐる。
駒ヶ根ファームスでの昼食は
当地のソウルフード、
ソースかつ丼である。

先刻の女性と一緒に食べた。
買い込んで来たビールを
勧めるとけっこうイケる口。
彼女の名前は A木N子サン。
ビール好きだってんで
近いうち浅草「神谷バー」に
ご一緒する約束を交わす。

この6月から
伊勢志摩、丹後&若狭、
東西伊豆、裏磐梯&会津若松、
そして今回の木曽&駒ヶ根。
ツアー5回目にして
初めて友だちができた。
秋すでに深い信濃路でした。

=再び告示です=
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2006年6月、邱さん時代の
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2025年11月7日金曜日

第3923話 秋もう深い 信濃路へ

今年クセがついたツアー旅行。
年甲斐もなくハマッた。
これで5回目。
今回はわがふるさと長野県、
木曽路と駒ヶ根である。

♪ 7時半ちょうどの
  あずさ3号で
  私は 私は 
  新宿から 旅立ちます ♪

秋もう深い信濃路へ。
あずさ3号を降りたのは茅野。
小じんまりとした駅から
バスが向かったのは
木曽の馬籠宿である。

着いたらけっこうな秋時雨。
それでも時雨は止むのが早い。
妻籠宿へと歩みを進める。
上り坂は急勾配。
年配者がみな息を切らし始めた。

馬籠峠を越えてからは
なだらかな下り坂。
大妻籠を過ぎてほどなく妻籠宿。
すでに夕暮れどきで
店はほとんど閉じている。

「澤田屋」は開いており、
噂に高い銘菓・栗きんとんを購入。
ガス注入といきたいが
どうやらダメだなこりゃ。

すると1軒だけ門戸を開く店あり。
地獄に仏は「やまぎり食堂」。
ドライレギュラー缶(400円)と
五平餅(300円)をすかさず通す。

五平餅はよく見掛ける、
みたらし団子風ではなかった。
竹串代わりの木べらに
平たいハンバーグ風は
焼鳥屋のツクネみたいだ。
くるみ味噌が旨いが
これは餅ではなくつぶした飯。

バスの出発時間が迫り、
ビール1缶で切り上げる。
宿泊先は駒ヶ根インターそば。
1時間ほどで到着し、
30分後には夕食。

ビジネスホテルの食事セットは
特筆するものとてナシ。
でも、飲んだ。
一番搾り中瓶3本と伊那の酒、
夜明け前(300ml)を1本。

4人掛けのテーブルを
1人旅のオッサン4人で囲む。
見知らぬ同士はすぐに打ち解け、
会話も弾んできた。

今回は通常のツアーと異なり、
”ハイキング中級”と銘打たれ、
4時間で9kmを踏破した。
みなさんお歳のわりに健脚揃い。
ほか全員が引き揚げたあとも
4人組は食堂に最後まで居残り、
口角泡を飛ばしたのでした。

「澤田屋」
 長野県木曽郡南木曽町
 吾妻寺下805
 0264-57-4105

「やまぎり食堂」
 長野県木曽郡南木曽町
 吾妻下町2179-1
 0264-57-3134

2025年11月6日木曜日

第3922話 小雨の中を一万歩 (その2)

てなこって傘をさしつつ、
荒川区・小台に到達した。
花の東京に唯一残った、
チンチン電車、
荒川線はよく利用するので
この町にも土地勘はある。

BMしておいたとんかつ屋、
「大清(たいせい)」へ。
それにしても雨足は弱いけど
小糠雨がうっとうしい。

カウンター、テーブル、
小上りまである設えに
先客はオジさんが独り。
カウンターでヒレカツ定食と
キリンラガー大瓶だ。

隣りの隣りに腰掛けて
ドライ大瓶を所望する。
品書きを一瞥したものの、
すでに心に決めてある、
カキフライを単品でお願い。

カキは中ぶりが5カン付け。
トマト・きゅうり・レタス・
キャベツにレモン1櫛。
それにタルタルならぬ、
マヨネーズが添えられている。

揚げ切りよろしく、
コロモのサクサク感が快適。
この店ならロースやヒレも
かなりの水準と推察できた。

中瓶を1本にとどめ、
お勘定は1450円也。
サクサク感のあとは
割安感に襲われた次第なり。

未だに小糠は降っている。
小台から荒川線に乗り、
熊野前で日暮里・舎人ライナーに
乗り換えて日暮里という手段が
常套だが歩いて帰ることにする。

雨の日には歩かない主義ながら
魔が差したというか、
気の紛れというか、
こんなこともタマにはあるのだ。

宮ノ前から尾久銀座を抜け、
赤土小学校前、そこから
尾久橋通りを南下して往く。
頭上には乗るはずだった、
舎人ライナーが走っている。

小台から1時間は歩いたかな?
地元のよみせ通りのご用達、
鮮魚店で岩手産カキを購入。
加工用だがJ.C.は常に
コレを生で食する。
酢で締めれば問題は払拭される。

今まで百回以上食べて来て
当たったことなど一度もないから
自信を持って読者にも
オススメできるのだ。
昼はカキフライ、夜は酢がき。
本日はオイスターをオイスく、
いただく日と相成りました。

「とんかつ 大清(たいせい)」
 東京都荒川区西尾久2-4-14
 03-3800-6419

2025年11月5日水曜日

第3921話 小雨の中を一万歩 (その1)

都営の日暮里・舎人ライナーは
先日も利用して食の不毛地帯、
高野(こうや)と扇大橋を訪れた。
沿線全13駅を制覇したものと
思っていたら1つだけ残っていた。
足立小台である。

橋そのものより、通りの名前が
世に知られる尾久橋の北詰に
駅がポツンとある。
小雨降る日に行ってみた。

隅田川と荒川に挟まれ、
東西に細長い陸地は小台1丁目。
初めて降りてビックラこいた。
見事にな~んもねェんだ。

高野と扇大橋も無かったが
そこに輪をかけてねェ!
あるのはケーズデンキと
スーパー・オーケーの入る、
デカい建物だけ。
飲食店の姿は皆無で
オーケー内にモスバーガーと
ラーメン屋が1軒あるのみ。

沿線13駅中、乗降客数が
最も少ない足立小台だけれど
心の底から納得した。
団地が何棟か建っていても
”住みたい人気度” は最低だろう。
かく云うJ.C.も例外ではない。
オラこんな町イヤだァ!

雨も降ってることだし、
とにかくこのエリアから
脱出を図らねばならない。
隅田川の上流に向かって歩く。

尾久橋の1つ上手の小台橋で
隅田川を渡り返した。
すると此処は地番こそ
荒川区・西尾久ながら
区民が小台と呼ぶ土地柄だ。

地名の由来がまた振るってる。
足立区・小台が近いため、
それに起因するというのだ。
すぐそばには
都電荒川線・小台駅まである。

しかも荒川線と交差するのが
小台大通りと来たもんだ。
1本西側の通りは
旧小台銀座と来たもんだ。
荒川区民のプライドやいずこ?

=つづく=

2025年11月4日火曜日

第3920話 駒形橋のたもとで

本棚から本があふれ出したため、
整理するつもりになった。
大げさな木製よりも
簡素な整理ケースでじゅうぶん。
浅草六区の無印良品に出掛ける。

その前にそば屋で一杯飲ろう。
ならば誰か相棒が欲しいな。
そばとも・Mきに連絡すると
たまたま空いており同伴。

本日の目当ては「吾妻橋やぶ」。
東武浅草駅前で落ち合った。
隅田川を吾妻橋で渡る。

当店は以前、この道筋の先、
都内随一のどぜう屋、
「ひらい」のはす向かいに
在ったが一時閉業したあと、
駒形橋のたもとで復活した。

それなら「駒形橋やぶ」に
改名すりゃいいことながら
地番が吾妻橋1丁目だから
バカボンのパパじゃないが
これでいいのだ。

ドライ大瓶を注ぎ合い、
グラスをカチン。
つまみは彼女が漬物、
J.C.はかつ煮を通した。

漬物は漬かり過ぎて
古漬けまではいかないけれど
J.C.は苦手、一箸で終了。
平気の平左の相方はパリパリ。

此処のかつ煮は都内屈指。
以前はそばじゃないとき、
白飯と一緒に食べたものだ。
ところが今回は豚肉が硬い。
割下もかえしが利き過ぎて
かなりしょっぱい。
肩を透かされてガッカリ。

諏訪泉の冷たいのに切り替え、
再びグラスを合わせる。
”諏訪” を名乗るくらいだから
信州かと思いきや、
鳥取の産であった。

もりとおかめそばを取り、
分け合ってたぐる。
そばも以前の方が
好かったような気がした。
お勘定は金5800円也。

買い物につき合わせた。
半透明の衣装ケースを
いくつか買い求めた。
彼女は彼女で無印商品のスープを
大量に買い込んでいました。

「吾妻橋やぶそば」
 東京都墨田区吾妻橋1-11-2
 03-3625-1550

2025年11月3日月曜日

第3919話 ズワイのサラダで 平兵衛酢ハイ

メトロ・千代田線に乗って
千葉県・松戸にやって来た。
新京成線で一つ先の上本郷に
7年も棲んだため、
松戸には愛着を抱いている。

あらかじめ気の利いた店を
探しておいた。
「丸吉」は西口にある居酒屋。
駅の東口を水戸街道が走り、
西側には江戸川が流れている。

12時半に訪れると先客は
カウンターにオジさんが1人。
1席空けて彼の隣りに座り、
ドライ中瓶を発注する。

突き出しはツブ貝、
いや、バイ貝かもしれないな。
訊ねたら若い板さんが
「タコツブ貝です!」
うん? 初めて聞く名前だ。
帰宅後、調べてみたら
確かにタコツブは存在した。
けれどツブ貝との違いが判らん。

季節がほぼ終わる、
平兵衛酢ハイがあって
首を傾げながら追注した。
平兵衛酢なる柑橘は
宮崎県・日向の特産である。

好物のカニサラダも所望した。
繊キャベ中心にトマトと
きゅうりも散見され、
カニのほぐし身が乗っている。
ドレッシングは
オニオンの醤油ベース。

肝心の平兵衛酢は
フレッシュ・スクイーズでは
ないものの、そこそこ愉しめた。
会計は2800円也。

せっかく来た松戸西口。
旧水戸街道を横断し、
かつて栄華を極めた、
平潟遊廓の跡を散策する。

樋古根川が哀愁をたたえて
ゆる~く流れている。
川のほとりにたたずみ、
しばしボーッとしてました。
ハハ、これじゃチコちゃんに
叱られちゃいますな。

「丸吉」
 千葉県松戸市松戸1292-1
 047-363-6068