2011年10月21日金曜日

第167話 モヒート風チキン蒸し焼き 男やもめのキッチン Vol.4

男やもめがが独りでキッチンに立ち、
手を抜けるだけ抜いて自分のために料理を作る。
今日は”男やもめのキッチン”シリーズ、その4回目。

ここ1~2年、若い女性を中心として
大流行した飲みものにモヒートがある。
大量のミント葉にホワイトラムとライムジュース、
ガムシロで甘みを加え、氷を投入してソーダを満たす。
ロングカクテルと呼ぶ向きもあるが
厳密にいうとカクテルは2種類以上の酒を合わせることが必須。
モヒートはロングドリンクと呼ぶのが正しい。

キューバ生まれのこのドリンク、
ラムはバカルディを使うのが一般的だが
本場ではハバナクラブを使用する。
ダイキリと並んで文豪・ヘミングウェイお気に入りの飲みものだ。
彼のレシピは上記に加え、
2ダッシュのアンゴスチュラ・ビターズがポイント。

さて、夏は過ぎ去り、モヒートの季節も終焉を告げた。
別にモヒートを秋や冬に飲んで悪くはないけれど、
ここは夏の日の思い出を胸に、あの風味を料理に導入したい。
自慢じゃないが正真正銘、J.C.のオリジナルである。

名付けて、モヒート風チキン蒸し焼き。
とてもオサレな料理につき、
彼女を自宅に招き入れてご馳走したら歓ばれること必至。
家に上がりこんでおきながらこれでオチなきゃ、
おそらくアナタに問題があるのだろう。
もはやその彼女に目はないから、即刻狙いを移すべし。

それではアラ・キュイジーヌ!

用意する食材(2人前)は  
 鶏もも肉・・・2枚
 コーン油、バター・・・適宜
 ホワイトラム・・・少々
 フレッシュライム・・・1個
 フレッシュミント・・・数葉


チキンには塩・胡椒しておく。
ほかに味付けをしないから塩はやや強め。
胡椒はできれば挽き立ての白胡椒が望ましい。

フライパンにコーン油を熱し、
肉の皮目を下にして強火で焼き目をつける。
その間1~2分。
返したら最弱火に落としてフタをし、ゆっくりと火を入れる。
その間6~7分。

火が通ったらそれぞれの肉にバター少々を乗せ、
溶けたところでホワイトラムを投入し、フランベする。
あらかじめ2枚のスライスを確保しておいた残りのライムを
火の落とし際にチキンの上から大量に搾り掛ける。

チキンを皿に盛り、ライムスライスを乗せ、
その上にミント数葉を飾って出来上がり。

もちろんミントはお飾りではなく、チキンとともにいただく。
余計な味付けを排し、塩味と胡椒の香気、
ライムの酸味と風味にミントがアクセントとなり、
見るからに食べるからにシンプリー・ビューティフル。

ガルニテュール(付合わせ)は絹さやかいんげんのソテー、
茹でたブロッコリーなど、青物がピッタリ。
間違っても冷凍のミックスベジはいけません。
あれではすべてぶち壊しだ。

合わせる飲みものは、是が非でもラムにご登場願いたい。
モヒートやダイキリというわけにもいくまいから
ライムの櫛切りを添えたメキシコ産コロナビール。
あるいはライムスライスを浮かべたラム&ソーダ。
甘党ならコークかペプシで割ったキューバ・リブレでキマリだろう。
う~ん、実にオサレだ!