朝の6時から観た「有楽町で逢いましょう」。
さっそくスタッフとキャストを紹介しておきたい。
監督は島耕二、脚本は笠原良三。
撮影が秋野友宏、音楽は大森盛太郎。
島はこれといった名作を残していないが
「銀座カンカン娘」、「上海帰りのリル」などを手がけた。
大森盛太郎とくれば、
裕次郎ファンには「嵐を呼ぶ男」の作曲者としてつとに有名。
ヒロインを演ずるのは京マチ子。
「そごう」店内にブティックを構える服飾デザイナーがその役柄。
相手役は菅原謙二。
建築家でありながら、アメフトの解説者もこなす。
しかしJ.C.、二人のキャスティングには強烈な違和感を覚えた。
ちっとも都会的な感じがしないし、
有楽町のイメージにまったくマッチしない。
舞台は東京と大阪を行ったり来たりと、めまぐるしい。
これは大阪に本店を構える「そごう」に気を使っていたのだろう。
貴重な脇役として二人の婆さんが登場する。
かたや東京の北林谷栄、こなた大阪の浪花千栄子。
浪花が現われるだけで俄然、画面の大阪色が濃厚になる。
若い頃から老け役専門の北林のほうが年上に見えるが
実は浪花のほうが4歳も年長だ。
映画自体は京と菅原の他愛ないメロドラマ。
京の弟役が川口浩、川口松太郎の長男だ。
菅原の妹役は野添ひとみ、競馬に造詣が深い彼女は
一時期、TVの競馬中継のコメンテーターを勤めていた。
若い二人の恋愛が同時進行してゆく。
川口と野添は実生活においても数々の共演を経て結ばれた。
結ばれはしたが
ティーンエイジャーの愛娘をガンで亡くす不幸に見舞われる。
そして川口は51歳、野添は58歳、それぞれガンのために死去した。
主役・脇役の4人のうちでは野添が一番都会的だ。
これは彼女の父親が
丸の内勤めのサラリーマンだったことと無関係ではなかろう。
それはそれとして、本作の本当の主役は「そごう」デパート。
封切り当時はコマーシャル・ピクチャーの面目躍如で
デパートに多大な恩恵をもたらした。
映画は駄作中の駄作であるにせよ、商業的な価値ははかり知れない。
今、観返すと、懐かしき「そごう」店内を
しっかり映像に残してくれた功績が大きい。
殊に2階のティールームは古き良かりしティールーム。
劇映画としてはチョンボを犯しても
記録映画としてはとてつもなく貴重だ。
そしてラストシーン。
大阪からの列車が有楽町を通過するときに流れた、
「有楽町で逢いましょう」の第4番。
不意を突かれて歌詞を書きとめられなかったが
この映画だけに使われたマボロシの歌詞なのである。
さっそくスタッフとキャストを紹介しておきたい。
監督は島耕二、脚本は笠原良三。
撮影が秋野友宏、音楽は大森盛太郎。
島はこれといった名作を残していないが
「銀座カンカン娘」、「上海帰りのリル」などを手がけた。
大森盛太郎とくれば、
裕次郎ファンには「嵐を呼ぶ男」の作曲者としてつとに有名。
ヒロインを演ずるのは京マチ子。
「そごう」店内にブティックを構える服飾デザイナーがその役柄。
相手役は菅原謙二。
建築家でありながら、アメフトの解説者もこなす。
しかしJ.C.、二人のキャスティングには強烈な違和感を覚えた。
ちっとも都会的な感じがしないし、
有楽町のイメージにまったくマッチしない。
舞台は東京と大阪を行ったり来たりと、めまぐるしい。
これは大阪に本店を構える「そごう」に気を使っていたのだろう。
貴重な脇役として二人の婆さんが登場する。
かたや東京の北林谷栄、こなた大阪の浪花千栄子。
浪花が現われるだけで俄然、画面の大阪色が濃厚になる。
若い頃から老け役専門の北林のほうが年上に見えるが
実は浪花のほうが4歳も年長だ。
映画自体は京と菅原の他愛ないメロドラマ。
京の弟役が川口浩、川口松太郎の長男だ。
菅原の妹役は野添ひとみ、競馬に造詣が深い彼女は
一時期、TVの競馬中継のコメンテーターを勤めていた。
若い二人の恋愛が同時進行してゆく。
川口と野添は実生活においても数々の共演を経て結ばれた。
結ばれはしたが
ティーンエイジャーの愛娘をガンで亡くす不幸に見舞われる。
そして川口は51歳、野添は58歳、それぞれガンのために死去した。
主役・脇役の4人のうちでは野添が一番都会的だ。
これは彼女の父親が
丸の内勤めのサラリーマンだったことと無関係ではなかろう。
それはそれとして、本作の本当の主役は「そごう」デパート。
封切り当時はコマーシャル・ピクチャーの面目躍如で
デパートに多大な恩恵をもたらした。
映画は駄作中の駄作であるにせよ、商業的な価値ははかり知れない。
今、観返すと、懐かしき「そごう」店内を
しっかり映像に残してくれた功績が大きい。
殊に2階のティールームは古き良かりしティールーム。
劇映画としてはチョンボを犯しても
記録映画としてはとてつもなく貴重だ。
そしてラストシーン。
大阪からの列車が有楽町を通過するときに流れた、
「有楽町で逢いましょう」の第4番。
不意を突かれて歌詞を書きとめられなかったが
この映画だけに使われたマボロシの歌詞なのである。