神楽坂の日本そば屋「山せみ」に集ったわれら3名。
ところが歓んで生ビールをエンジョイしているのは
われ独りなる体たらく、でもいいですねェ、
心ある友人はそんなわがままを微笑んで許してくれる。
合議の末、いろいろと注文し、分け合っていただくことにする。
気心の知れた仲間との会食はこんなマネができてうれしい。
まず、これは試してみようと
一人前だけお願いしたのは何とかセット。
店側の説明によれば、お食べ得らしい。
手始めにこちらのご紹介。
前菜は三点が別盛りながら可愛い木箱で配された。
いわゆる和食の王道をゆくスターターだ。
そのぶん、型にはまったマンネリズムが
卓上を席巻してしまうがネ。
三点の中で主役を演ずるお造りをつぶさに拝察してみよう。
白身は平目で間違いないハズだ。
その隣りはカンパチかな?
いや、違う、おそらくワラサであろう。
ワラサは天然のハマチというか、ブリの若いヤツだ。
ブリは出世魚、若い順から成長に伴い、
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリとなる。
憶測するより店の接客係に訊けばよいのだが
ついついハナシに夢中になり、訊きそびれてしまった。
食味はいずれも特筆に価しない。
ただ、水準には達しており
無難にその役割を果たしている。
相撲用語で例えれば、和食はかように食べ手をいなすのだ。
これがフレンチになるとガップリ四つに組もうとするし、
イタリアンなら立会いから張り手が一つ飛び、
続いて強烈に突っ張ってくるのだ。
洋の東西はかくも異なるべし。
=つづく=
ところが歓んで生ビールをエンジョイしているのは
われ独りなる体たらく、でもいいですねェ、
心ある友人はそんなわがままを微笑んで許してくれる。
合議の末、いろいろと注文し、分け合っていただくことにする。
気心の知れた仲間との会食はこんなマネができてうれしい。
まず、これは試してみようと
一人前だけお願いしたのは何とかセット。
店側の説明によれば、お食べ得らしい。
手始めにこちらのご紹介。
前菜は三点が別盛りながら可愛い木箱で配された。
そこそこに小ジャレている
それぞれをアップで撮ると
玉子の黄色で
食べ手の視線をとらえ、
海胆を冠した菜花で
季節感を演出する。
お造りでは食べ手に
実存的満足感を与える。いわゆる和食の王道をゆくスターターだ。
そのぶん、型にはまったマンネリズムが
卓上を席巻してしまうがネ。
三点の中で主役を演ずるお造りをつぶさに拝察してみよう。
白身は平目で間違いないハズだ。
その隣りはカンパチかな?
いや、違う、おそらくワラサであろう。
ワラサは天然のハマチというか、ブリの若いヤツだ。
ブリは出世魚、若い順から成長に伴い、
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリとなる。
憶測するより店の接客係に訊けばよいのだが
ついついハナシに夢中になり、訊きそびれてしまった。
食味はいずれも特筆に価しない。
ただ、水準には達しており
無難にその役割を果たしている。
相撲用語で例えれば、和食はかように食べ手をいなすのだ。
これがフレンチになるとガップリ四つに組もうとするし、
イタリアンなら立会いから張り手が一つ飛び、
続いて強烈に突っ張ってくるのだ。
洋の東西はかくも異なるべし。
=つづく=