巨星・高倉健の映画をたどっていたらとうとうここまで来た。
われながら好きなこととなると、まったくもって止めどがない。
そのあいだに文太兄ィまで亡くなってしまった。
あらためてお二人のご冥福を祈りたい。
合掌。
「駅 STATION」のつづきだ。
大晦日の夜、桐子の店に現れた三上。
二人だけで燗酒を酌み交わす。
まるで何年も連れ添った夫婦みたいに―。
TVでは紅白歌合戦がたけなわである。
流れるのは八代亜紀の「舟歌」。
紅白に限らず、「舟歌」はたびたび流れる。
ちょいとばかりクサいんじゃないかと思われるくらいだ。
結局、二人は添い遂げることなく、男は札幌に去ってゆく。
以上、健サン映画のマイ・ベストスリーでした。
ほかに印象に残った作品にもふれておこう。
第4位の「新幹線大爆破」(1975年)では
健サンは新幹線の車両に爆弾を仕掛けるテロリスト。
2時間半に及ぶ大作は映画のデキもよかったのに
諸処の事情が絡んで興行的には不発に終わる。
その代わり、大幅にカットされた仏語吹き替え版がフランスでヒットした。
監督は「君よ憤怒の河を渉れ」に続いて佐藤純也。
第9位の「三百六十五夜」(1962年)は
上原謙・高峰秀子・山根寿子のトリオで撮られた1948年版のリメイク。
キャストは高倉健・美空ひばり・朝丘雪路に替わった。
どちらもけんサンであるところが奇遇。
監督も市川崑から渡辺邦男へ。
同名主題歌を歌ったのは1948年版が霧島昇・松原操のご夫婦。
当版ではもちろん美空ひばりだ。
ストーリーは二人の女性に愛された男が本命と結ばれるというもの。
結婚相手はひばりではなく雪路であった。
♪ みどりの風に おくれ毛が
やさしくゆれた 恋の夜
初めて逢(お)うた あの夜の君が
今は生命(いのち)を 賭ける君 ♪
(作詞:西條八十)
ちなみに作曲は古賀政男、まさにゴールデンコンビである。
さすがに詞も曲もすばらしい。
ただし、同じ古賀政男作曲(作詞は佐藤惣之助)の
「緑の地平線」と混同されることも多い。
原因は1番冒頭の ”みどりの風に おくれ毛が” であることは言うまでもない。
一方の「緑の地平線」では曲の一番最後(3番)まで来てやっと
”緑うれしや地平線” が登場するのだから、さもありなん。
健サンは今ごろきっと、天国で緑の風に吹かれているに違いない。
巨星は星の彼方に消えてしまった。
=おしまい=
われながら好きなこととなると、まったくもって止めどがない。
そのあいだに文太兄ィまで亡くなってしまった。
あらためてお二人のご冥福を祈りたい。
合掌。
「駅 STATION」のつづきだ。
大晦日の夜、桐子の店に現れた三上。
二人だけで燗酒を酌み交わす。
まるで何年も連れ添った夫婦みたいに―。
TVでは紅白歌合戦がたけなわである。
流れるのは八代亜紀の「舟歌」。
紅白に限らず、「舟歌」はたびたび流れる。
ちょいとばかりクサいんじゃないかと思われるくらいだ。
結局、二人は添い遂げることなく、男は札幌に去ってゆく。
以上、健サン映画のマイ・ベストスリーでした。
ほかに印象に残った作品にもふれておこう。
第4位の「新幹線大爆破」(1975年)では
健サンは新幹線の車両に爆弾を仕掛けるテロリスト。
2時間半に及ぶ大作は映画のデキもよかったのに
諸処の事情が絡んで興行的には不発に終わる。
その代わり、大幅にカットされた仏語吹き替え版がフランスでヒットした。
監督は「君よ憤怒の河を渉れ」に続いて佐藤純也。
第9位の「三百六十五夜」(1962年)は
上原謙・高峰秀子・山根寿子のトリオで撮られた1948年版のリメイク。
キャストは高倉健・美空ひばり・朝丘雪路に替わった。
どちらもけんサンであるところが奇遇。
監督も市川崑から渡辺邦男へ。
同名主題歌を歌ったのは1948年版が霧島昇・松原操のご夫婦。
当版ではもちろん美空ひばりだ。
ストーリーは二人の女性に愛された男が本命と結ばれるというもの。
結婚相手はひばりではなく雪路であった。
♪ みどりの風に おくれ毛が
やさしくゆれた 恋の夜
初めて逢(お)うた あの夜の君が
今は生命(いのち)を 賭ける君 ♪
(作詞:西條八十)
ちなみに作曲は古賀政男、まさにゴールデンコンビである。
さすがに詞も曲もすばらしい。
ただし、同じ古賀政男作曲(作詞は佐藤惣之助)の
「緑の地平線」と混同されることも多い。
原因は1番冒頭の ”みどりの風に おくれ毛が” であることは言うまでもない。
一方の「緑の地平線」では曲の一番最後(3番)まで来てやっと
”緑うれしや地平線” が登場するのだから、さもありなん。
健サンは今ごろきっと、天国で緑の風に吹かれているに違いない。
巨星は星の彼方に消えてしまった。
=おしまい=