駒込の「大和屋」でビールを飲んでいる。
相方は鴨なんばんの器片手に
もう一方で箸の上げ下げに勤しんでいる。
3本目の中瓶が到来したので
一片の鴨肉を譲り受け、ビールのアテとした。
モグモグ・・・ふむ、まずまずの合鴨であった。
ほどなくくだんのかき揚げせいろとかき揚げ丼が運ばれる。
しかもコレが800円だから、お食べ得というほかはない。
セットをP子に任せ、こちらは残り半分の鴨なんに取り掛かった。
温そばの常としてややノビかかっているものの、つゆは及第点。
急に日本酒が欲しくなったが
どうせここ1軒で終わるハズもなく我慢した。
鴨なんばんを食べ終えたとき、相方はかき揚げせいろの道半ば。
今度はソレをもらい受け、かき揚げ丼を先方に託す。
やれやれ、卓上はそれなりに忙しい。
かき揚げに使用されている小エビは桜海老より一回り小さい。
南氷洋のヒゲクジラが大量に補食する、
オキアミではないかと思われた。
香ばしさは足りなくとも玉ねぎの甘さが功を奏して
そこそこの水準には達していた。
そばは冷たいせいろのほうが温ものより美味しくいただける。
全品、半分づつシェアしてきれいに平らげた。
はて、これからどうするか?
会計しながら思いを致す。
店を出たとき、相方から質問。
「お店、特におそば屋さんの玄関に
どうして狸の置物があるの?」―素朴な疑問である。
「そりゃ、一種の商売繁盛祈願だヨ」―こう応える。
「どうゆうこと?」―まっ、それだけじゃ判らんわな。
よって、狸→タヌキ→他抜き。
他店を抜いて自店が繁栄する言葉の活用を説明してやった。
「ところでP子、鎌倉ではしょっちゅう狸を見掛けるんじゃない?」
「田舎だからってまたバカにして! めったに見ないわヨ」
つい最近、新聞で読んだが都内じゃ狸がずいぶん増えてるそうだ。
ところが都心寄りに棲んでいるせいか、トンと見掛けない。
古来、狸はいつも狐にだまされてガミを食う役割。
他を抜くどころか、間が抜けたイメージだ。
ただし、そのぶん愛嬌が生じて
キツネ目の男より、タヌキ目の女のほうがずっとずっと好もしい。
=つづく=
相方は鴨なんばんの器片手に
もう一方で箸の上げ下げに勤しんでいる。
3本目の中瓶が到来したので
一片の鴨肉を譲り受け、ビールのアテとした。
モグモグ・・・ふむ、まずまずの合鴨であった。
ほどなくくだんのかき揚げせいろとかき揚げ丼が運ばれる。
豪華なセットは食べでがありそう
鴨なんばんとは裏腹に相当なボリュームである。しかもコレが800円だから、お食べ得というほかはない。
セットをP子に任せ、こちらは残り半分の鴨なんに取り掛かった。
温そばの常としてややノビかかっているものの、つゆは及第点。
急に日本酒が欲しくなったが
どうせここ1軒で終わるハズもなく我慢した。
鴨なんばんを食べ終えたとき、相方はかき揚げせいろの道半ば。
今度はソレをもらい受け、かき揚げ丼を先方に託す。
やれやれ、卓上はそれなりに忙しい。
かき揚げに使用されている小エビは桜海老より一回り小さい。
南氷洋のヒゲクジラが大量に補食する、
オキアミではないかと思われた。
香ばしさは足りなくとも玉ねぎの甘さが功を奏して
そこそこの水準には達していた。
そばは冷たいせいろのほうが温ものより美味しくいただける。
全品、半分づつシェアしてきれいに平らげた。
はて、これからどうするか?
会計しながら思いを致す。
店を出たとき、相方から質問。
「お店、特におそば屋さんの玄関に
どうして狸の置物があるの?」―素朴な疑問である。
「そりゃ、一種の商売繁盛祈願だヨ」―こう応える。
「どうゆうこと?」―まっ、それだけじゃ判らんわな。
よって、狸→タヌキ→他抜き。
他店を抜いて自店が繁栄する言葉の活用を説明してやった。
「ところでP子、鎌倉ではしょっちゅう狸を見掛けるんじゃない?」
「田舎だからってまたバカにして! めったに見ないわヨ」
つい最近、新聞で読んだが都内じゃ狸がずいぶん増えてるそうだ。
ところが都心寄りに棲んでいるせいか、トンと見掛けない。
古来、狸はいつも狐にだまされてガミを食う役割。
他を抜くどころか、間が抜けたイメージだ。
ただし、そのぶん愛嬌が生じて
キツネ目の男より、タヌキ目の女のほうがずっとずっと好もしい。
=つづく=