2017年2月9日木曜日

第1955話 素晴らしき土曜日 (その9)

  ♪   砂山の砂を
     指で掘ってたら
     まっかに錆びた
     ジャックナイフが 出てきたよ
     どこのどいつが 埋めたか
     胸にじんとくる
     小島の秋だ

     薄情な女(やつ)を
     思い切ろうと
     ここまで来たか
     男泣きした マドロスが
     恋のなきがら 埋めたか
     そんな気がする
     小島の磯だ

     海鳴りはしても
     何も言わない
     まっかに錆びた
     ジャックナイフが いとしいよ
     俺もここまで 泣きに来た
     同じおもいの
     旅路の果てだ      ♪

       (作詞:萩原四朗)

そう、裕次郎初期の主演映画、
「錆びたナイフ」の主題歌である。
リリースされたのは1957年6月。
翌年3月には映画化されている。

作詞の萩原四朗は敬愛する石川啄木の詩、
「一握の砂」をモチーフにこの詞を書き上げた。

 いたく錆びしピストル出でぬ
 砂山の
 砂を指もて堀りてありしに

コレですネ。

さて、「錆びたナイフ」の映画のほうである。
石原裕次郎・小林旭・宍戸錠。
日活ダイヤモンドラインを形成するスターが
3人揃って競演した唯一の作品なのだ。

舞台は西日本の一地方都市に設定されているが
J.C.の見た限りでは福岡県・博多市だと思われる。
モノクロの画面が美しい。
のちに石原夫人となりしヒロインの北原三枝も美しい。

=つづく=