地下鉄の入口で雨宿り。
というより実際は今後の身の振り方を思案していた。
とにかく今年のGWはよく降るGWだ。
何となく・・・再び門仲をさまよい歩く気力が失くなった。
そのまま改札への階段を降る。
雨が降ったら断トツの候補地は浅草。
何となれば、浅草には
アーケードを備えた商店街が多いからネ。
ロンゲストの新仲見世にショーテストのかんのん通り。
雷門通りの北側、すし屋通りにひさご通りから千束通り。
部分的には国際通りもそうだ。
すぐに思いつくのはそんなとこだが、まだあるかもしれない。
とにかく、浅草はアーケードの街といっても過言ではない。
雷門通りの「酒富士」の暖簾をくぐった。
宵の口につき、客はテーブルに1組きり。
カウンターに人影はなかった。
久しぶりだから懐かしい。
あれは2年前の3月。
ここで豪州娘のブリに遭遇したのだった。
かつ丼のどんぶりを抱えている、
ブリにクジラを食わさせたっけ・・・。
彼女にちなんで、かつ煮皿という手もあったが
それはちょいとムリだろう。
先刻、深川の穴子天丼ともりそばは
どちらも量的に7分目程度だったので
まだイケると意気込んではいたものの、
時間の経過とともに満腹感が訪れていた。
しかし、当店で飲みものだけというわけにはいかない。
何か軽いものということで皮付きべったら漬け(450円)を
スーパードライの大瓶と一緒に通す。
ところが、このべったらはちっとも軽くなかった。
小鉢に10切れも盛られてるじゃないの。
大瓶を飲み切るには3~4枚でじゅうぶんなのに—。
いや、マイッたな。
べったら漬けをポリポリやっているうち、
ポツリポツリと客が現れる。
常連もフリも独り飲みばかりである。
彼らに
「一つ、べったらでもいかがですか?」―
なんてことも言えないし・・・。
だんだんに箸を投げ出したくなってきた。
不思議なもので飲むスピードは一向に落ちない。
空瓶を前にして棚に並んだ酒瓶を眺めていた。
見慣れない赤鹿毛(あかかげ)と青鹿毛(あおかげ)に
俄然、興味が湧いてくる。
こやつらはいったい、何者であろうか?
仮面の忍者たちなのであろうか?
=つづく=
というより実際は今後の身の振り方を思案していた。
とにかく今年のGWはよく降るGWだ。
何となく・・・再び門仲をさまよい歩く気力が失くなった。
そのまま改札への階段を降る。
雨が降ったら断トツの候補地は浅草。
何となれば、浅草には
アーケードを備えた商店街が多いからネ。
ロンゲストの新仲見世にショーテストのかんのん通り。
雷門通りの北側、すし屋通りにひさご通りから千束通り。
部分的には国際通りもそうだ。
すぐに思いつくのはそんなとこだが、まだあるかもしれない。
とにかく、浅草はアーケードの街といっても過言ではない。
雷門通りの「酒富士」の暖簾をくぐった。
宵の口につき、客はテーブルに1組きり。
カウンターに人影はなかった。
久しぶりだから懐かしい。
あれは2年前の3月。
ここで豪州娘のブリに遭遇したのだった。
かつ丼のどんぶりを抱えている、
ブリにクジラを食わさせたっけ・・・。
彼女にちなんで、かつ煮皿という手もあったが
それはちょいとムリだろう。
先刻、深川の穴子天丼ともりそばは
どちらも量的に7分目程度だったので
まだイケると意気込んではいたものの、
時間の経過とともに満腹感が訪れていた。
しかし、当店で飲みものだけというわけにはいかない。
何か軽いものということで皮付きべったら漬け(450円)を
スーパードライの大瓶と一緒に通す。
ところが、このべったらはちっとも軽くなかった。
小鉢に10切れも盛られてるじゃないの。
大瓶を飲み切るには3~4枚でじゅうぶんなのに—。
いや、マイッたな。
べったら漬けをポリポリやっているうち、
ポツリポツリと客が現れる。
常連もフリも独り飲みばかりである。
彼らに
「一つ、べったらでもいかがですか?」―
なんてことも言えないし・・・。
だんだんに箸を投げ出したくなってきた。
不思議なもので飲むスピードは一向に落ちない。
空瓶を前にして棚に並んだ酒瓶を眺めていた。
見慣れない赤鹿毛(あかかげ)と青鹿毛(あおかげ)に
俄然、興味が湧いてくる。
こやつらはいったい、何者であろうか?
仮面の忍者たちなのであろうか?
=つづく=