2020年3月9日月曜日

第2345話 かつ前の上新香(その1)

東急目黒線・不動前にて理髪後、
一つ先の武蔵小山に向かう。
桜の名所、かむろ坂とは線路を挟んで反対側の道を往く。
中高一貫校、攻玉社の脇を抜けて坂を上った。

本日のターゲットは武蔵小山のとんかつ店、
「もち豚とんかつ たいよう」。
かなりの人気店なのにカウンター全8席の小体な店だから
長蛇の列を覚悟しなければならないが
夜の部はスムースに予約が取れるとの情報を得た。

せっかちな性格が災いして電話予約は苦手。
二日前にケータイを手に取ったとき、
話し中が2度続いたらギヴアップ。
つながっても8回呼んで応答なければ、やはりギヴ。
そのつもりでダイヤルした。

ところが、たった2回のコールで
男性の声が受話器から聞こえてきた。
電話番に若い衆でも雇っているのだろうか?
エニウェイ、情報は正しく、
開店と同時の17時半にすんなりと予約が取れた。

努めてゆっくり歩いたが17時15分にはムサコ到着。
パルム商店街を往ったり来たりして時間を潰す。
半を回って入店すると、先客はカップル1組。
奥から順に詰めて着座した。

さっそくサッポロラガー(赤星)の中瓶と上新香を通す。
ほかはエビスだけでサッポロ偏重がいちじるしい。
上新香は、きゅうり・大根・にんじん、辛子高菜。
高菜以外は見るからに浅漬けだった。

つまみメニューにポテトサラダときんぴらがあったが
うなぎが焼けるまではもとより、
とんかつが揚がるまでも上新香で継ぐのが正しい。
うなぎは判るけど、とんかつは初耳ってか?
よくぞおっしゃった、本件に関してはアナタが正しい。

大根をポリッとやると、漬かりが浅くて水っぽい。
きゅうり、にんじんもまたしかり。
古漬けよりマシにせよ、いかんせん味気ない。
ここで力を発揮したのが練り辛子だ。

茄子の浅漬けに辛子は絶妙のコンビネーション。
色合いだって茄子紺に辛子色は見た目鮮やか。
きゅうり&辛子に応用したこともある。
初めて大根で試してみたら、意外な効果があった。
その味わいを問われれば、
おでんにおける、生煮えの大根と応じましょう。
思いのほかにオツなものでありました。

=つづく=