2023年7月11日火曜日

第3315話 白鶴 ”のみとも”に挑む (その1)

 読者は覚えておらりょうか?
(最近こればっかやな)
先日、「新宿中村屋」に伴った一羽の白鶴を。

後日、月に一度の”たべとも”役に任命したが
当人は不満をあらわにした。
それではあまりに役不足。
”のみとも”に挑戦したいと言う。

ちょ、ちょっと待ってヨ、
それは無謀じゃないの?
いさめたものの、強硬姿勢を崩さない。

それではと、落ち合った北千住。
母君の介護があるため、
夕暮れの帰巣を余儀なくされる鶴。
11時半スタートを希望してきた。

となると、飲める店は限られる。
ここはマイ・ブレイクルーム「幸楽」でいこう。
11~23時の営業時間が好都合だ。

いつものようにベトナムっ子が店先で呼び込み。
彼女たちは交代で常に立ち、
けして絶えることがない。
雨の日も風の日も。
これが集客に絶大な威力を発揮するのだ。

おい、おい、どうしたんだい?
テーブル席はすでに満卓。
残るは小上りしかない。
まだ昼前だぜ。

最近の呑み助は靴を脱ぐのを嫌がる。
しかも「幸楽」は脱いだ靴をレジ袋に入れて
持ち込まねばならない。
鬱陶しいったらありゃしない。
気はすすまなかったが二人して上がった。

ドライの大瓶を注ぎあってカチン。
大して飲めやしないのに
昼前飲みとは大したもんだ。

つまみの選択を促しながら、こちらは即決。
好物の水なすと珍しいマンボウの酢味噌である。
相方は海老のサラダと焼き鳥だが
ここの焼き鳥は退屈な部位が4本だから翻意を促し、
焼きとん(当店ではもつ焼き)に変更。
シロとレバをタレで。

大瓶はすぐに空いてもう1本。
名前は白鶴なれど
白鶴の熱燗というわけにはいきますまい。

=つづく=