2023年7月25日火曜日

第3325話 入店するまで14年

この日はこのクソ暑い中を
文京区・千駄木から台東区・池之端まで
歩いたのになじみの日本そば屋は
臨時休業と来たもんだ。

ご無体な・・・ガックシ肩を落とす。
このまま不忍池を眺めながら
上野まで歩こうかー。

このときピカリと閃いたのが
根津交差点にある1軒の生パスタ専門店。
「スピガ」は伊語で稲穂を意味する。
小麦じゃなくってお米。
ロンドン時代の若き日は
ずいぶんとイタリア米のお世話になったなァ、

初めて利用する「スピガ」だが
存在は14年前から認知している。
いや、認知どころのハナシではない。
何となればこの店の上、
4階に6年も棲んでいたんだから。

でも、入るのは初めて、
これもみな、行きつけそば屋の
ご利益(りやく)である。

ドライの中ジョッキと
スパゲッティ・アラビアータ(怒りん坊)をお願い。
フレッシュトマトと鷹の爪がふんだんに使われている、
カッカ、カッカと来る鷹の爪が命名の由来だ。
生パスタ特有のモチモチ感を味わえるが
J.C.はどちらかといえば乾麺のほうを択ぶ。

でも、それなりに楽しめた。
もっと早く来ればよかった。
6年もの長きに渡って同居したのに未踏とは
近所づき合いの良いこと、悪いこと。
今更ながら自省するのでした、

パスタソースで一番好きなのはボロネーゼ。
実はこの日も池之端から根津まで歩く間、
頭の中はボロネーゼ一色だった。

ところが入店してみると、
メニューの表記はミートソース。
ボロネーぜとミートソースは似て非なるモノ。
後者は緩くてパンチ不足のケースが多いのだ。

近々、日暮里の昭和喫茶「友露有」で
本物のボロネーゼをいただくとしよう。
取り合えず今日はおとなしく家に帰って
ショパンの「ポロネーズ」でも聴こう。
いや、ショパンなら
「ノクターン」ですよネ、やっぱり。

「スピガ」
 東京都文京区根津1-1-11
 03-3823-0460