雨がみぞれに変わり、ついには小雪となった午後。
「鬼畜」を観に、またもや神保町へ。
開場の1時間半前には
チケットを購入して、ふと左手を見たら、
いつも長蛇の列の「キッチン南海」に
誰一人並んでいない。
へえ~っ、こんなこともあるんだネ。
もう一つの行列店「ラーメン二郎」は
悪天候にもかかわらず、およそ30人。
これは利用者の年齢層の成せる業で
「二郎」は若者主体だが
「南海」はオッサンやジイサン少なからず。
身体の冷え方がまったく違うからネ。
けっこうなボリュームの「南海」だから
J.C.には無用の長物、無視し続けてきた。
けれど、死ぬ前にもう一度食べてみなヨ。
天の声が聞こえたのだ。
その一方で、おいおいムリムリやめときなヨ。
地の声もささやいた。
ほうら、村田英雄まで歌い出したぜ。
♪ 無理はよそうぜ 体に悪い
洒落たつもりの 泣き笑い
どうせこの世は そんなとこ
そうじゃないかえ 皆の衆 ♪
(作詞:関沢新一)
「皆の衆」は前回の東京五輪が開催された、
1964年のリリース。
三波春夫の「東京五輪音頭」の向こうを張って
大ヒットを記録した。
さて、「キッチン南海」。
ムッチーの諌言に耳を貸しかかったが
こんなケースは二度とない。
ちょいとばかり気が早いけど、
冥土のみやげに入店の巻である。
店先を何度も行き過ぎてるから
メニューは頭に入っている。
唯一気になっていた、
ひらめフライ&しょうが焼きの盛り合わせを即注。
半ライスの指定も忘れずにネ。
それでも定食屋の並盛り、
気取った洋食屋の2倍はあった。
メインプレートがまたスゴいのなんのっ!
繊キャベがマッターホルンか、
アコンカグアの如くにそそり立つ。
てっぺんにはキリマンジャロの雪よろしく、
貝割れが降り積もっていた。
ケチャスパはマヨ入りの冷製。
デカいひらめは四つ切り。
玉ねぎたっぷりのしょうが焼きもこんもり。
食っただヨ、ギャル曽根みたいに食っただヨ。
結果、その日は固形物がノドを通らなかった。
盟友・麦酒だけが疲れた胃袋を
いたわってくれたのでした。
「キッチン南海 神保町店」
東京都千代田区神保町1-39-8
03-3219-1616