2024年2月12日月曜日

第3469話 今宵は盟友と 船ばしご酒 (その1)

ん? ” 船ばしご酒 ” って何やねん?
これはですな、
千葉県・船橋ではしご酒のことですねん。
ほうら、不慮の死を遂げた、
藤圭子が歌い出しやしたぜ。

♪ 飲めば飲むほど うれしくて
  しらずしらずに はしご酒
  恋は小岩と へたなしゃれ
  酒の肴に ほすグラス
  よってらっしゃい 
  よってらっしゃい お兄さん ♪
   (作詞:はぞのなな)

「はしご酒」は1975年のリリーズ。
彼女のナンバーでは
ワン・ノブ・マイ・ベストである。

JR総武線で小岩から5つ先の船橋。
15時に南口改札前で待ち合わせたのは
高校同級の盟友・N田クンだ。
しばらく会わない間にずいぶん太った。
訊けば5kg 増とのこと。

駅から歩いて2分、最初の店は
この街で3本の指に入る名酒場「増やま」。
千葉県最大の飲み屋街は船橋だから
平日の15時だというのに
暖簾を出す店は5~6軒どころではない。

一方、台東区・上野は東京最大の飲み屋街だが
京成本線でつながる船橋は
上野の出張所的な存在と言えなくもない。
いずれにしろ、呑ン兵衛が浮かれる街である。

コの字カウンターのカドカドに着き、
当方、サッポロ赤星、
相方、焼酎の湯割りで乾杯。
つまみは牡蠣南蛮風おろし。
当店のつまみは1人前づつの小盛りで
取り皿は出さないから2つお願い。

相方のお替わりを見ながら
J.C.はにごり酒に切り替えた。
かなりの甘口につき、
これなら韓国のマッコリの方がいいな。

ホタルイカ酢味噌と紅生姜かき揚げを追注。
ホタルはちょいと匂った。
紅しょうがはずいぶんしょっぱい。
久しぶりの訪問だが以前はもっと良かったような。

二人して船中八策の冷たいのに移行する。
坂本竜馬の新国家構想、
船中八策にちなむ銘酒は司牡丹の人気銘柄。
切れ味鋭く舌上を転がり、
ノドを滑り落ちてゆくのであった。

=つづく=