渋谷の百軒店(だな)近くに
ユーロスペースなる小さな映画館がある。
現在、死刑映画週間が組まれており、
何本か観たい作品があって出掛けた。
死刑映画週間は13回を数えるそうで
何とまあ、死刑に固執する映画館だこと。
1本目はオランダ&ウクライナ合作の「キエフ裁判」。
その前に腹ごしらえに向かった。
およそ20年ぶりに渋谷随一のラーメン店「喜楽」へ。
平日なのに5人並んでいたが
5分足らずで1階のカウンターに着席。
一番シンプルなラーメンを通す。
メニューに中華麺と記載されているものの、
誰もそうは言わない。
厨房のインド人スタッフも
接客のオバちゃんも揃ってラーメンと呼ぶ。
目の前に懐かしい光景が拡がった。
分厚い肩ロースのチャーシュー2枚、
どっさりのもやし、味付け半玉。
スープには大量の揚げ玉ねぎが浮いている。
これこそが此処のラーメンの一大特徴。
当店のほか、大井町「永楽」など、
大森「喜楽」の流れを汲む店はみなそうだ。
麺は極太のちぢれ。
だけどこんなに太かったかな?
飲み覚えのあるスープが舌に沁みる。
ユーロスペースにやって来たら
あれ? おかしいな。
狭いロビーに誰もいないんだ。
前の映画が押してるのかもしれない。
スケジュールを確かめると
15時上映と思っていたのが実際は13時半。
時刻はすでに14時50分。
あちゃー、やっちまった。
「ボーっとラーメン食ってんじゃねーよ!」
間違いなくチコちゃんに叱られる。
結局、106分ある映画の25分しか
観ることができなかった。
しかしながら当ドキュメンタリー映画の
クライマックスはラスト5分。
裁かれたナチス戦犯がキエフ(キーウ)の
カリーニン広場(現・独立広場)に引っ立てられ、
集団処刑されるのだ。
広場に集まった大群衆の前で
12人の男たちが宙に吊るされる。
あまりにショッキングな光景に言葉を失った。
=つづく=