このところ映画の話題が多くて恐縮ながら
本日もまた映画であります。
神田神保町のシアターで1月末から
開催されていた " 女優魂 " 。
日本を代表する女優に
スポットライトを当てた特集は当館によれば、
これは女優たちの代表作の特集ではありません。
神保町シアターの独断と偏見で選び抜いた、
女優たちの魂の演技を見るためのプログラムです。
上映されたのは全16作、うち6作を観た。
月丘夢路「乳房よ永遠なれ」、岩下志麻「鬼畜」、
香川京子「近松物語」、藤村志保「怪談雪女郎」、
有馬稲子「浪花の恋の物語」、
山本富士子「濹東綺譚」である。
シアターが選りすぐっただけに全てが名作・佳作。
” 女優魂 ” を魅せつけられた思いがする。
J.C.という男の魂に訴えたのは第一に岩下志麻だ。
共演は緒形拳と小川真由美でいずれ劣らぬ名優。
殊に女同士、小川との丁々発止は迫力満点。
思わずうなるほどの見応えであった。
昔の女優さんはスゴかったなァ。
現在の小粒の背比べとは比べようもない。
今の女優たちにはせめて
ピリリと辛くなってほしいものだ。
香川京子の主演映画は初めて。
小津の「東京物語」はじめ、
この人は脇役や準主役が多い。
しかし、本作に限っては
長谷川一夫の向こうを張り、
堂々たる存在感を示した。
有馬稲子も好かった。
こちらは中村錦之助との共演。
この作品がキッカケで二人は結ばれる。
錦之助は稲子と別れて淡路恵子と再婚するがネ。
「近松~」は溝口健二、
「浪花の~」は内田吐夢と監督こそ違えど、
ストーリーはよく似ている。
どちらも悲劇的な愛の道行きで
原作が近松門左衛門だからネ。
かたや、刑場の露と消える運命にある男と女。
こなた、女だけが生き残るものの、
自ら井戸に身を投げようとする。
それを止めるのが劇中、
近松役を演ずる片岡千恵蔵と来たもんだ。
このシリーズも明日で終わり、明後日からは
五所平之助監督特集が組まれている。
明日(天皇誕生日)のプログラムを記しておく。
11:00 濹東綺譚(山本富士子)
13:30 西鶴一代女(田中絹代)
16:15 浪花の恋の物語(有馬稲子)
18:25 ㊙色情めす市場(芹明香)
開映30分前くらいまでチケットは手に入るハズ。
ご興味のある方はお急ぎをー。