2025年7月18日金曜日

第3843話 あのヒラタで 仔牛三昧 (その3)

そうして本日の締めくくり。
セコンド・ピアットは
サルティンボッカだ。
ローマを代表する料理がコレ。
意味は "口に飛び込む"である。

プロシュート(生ハム)で
仔牛ロースを巻き込み、
サルヴィア(セージ)を
あしらってソテーする。

ところが好事魔多し。
最後に落とし穴が待っていた。
ヤケにしょっぱい。
プロシュート過多により、
塩気が強烈なのだ。

火も通り過ぎて硬い。
せっかくの好物・仔牛を
1/4ほど残してしまった。
Mきサンも J.C.に倣い、残す。

自家製リモンチェッロと
エスプレッソでチェーナは終了。
くだんのカメリエーレに
トンナートは花マルだけど
サルティンボッカが残念と
しっかっり伝えた。

そうしてイル・コント(会計)。
するとカメちゃん曰く、
「サルティンボッカは
 お引きしておきました」
「エッ? そんなこと
 してくれなくていいの」
あらためて加算させ、お支払い。

帰ってゆくわれわれを
カメちゃんが見送ってくれる。
そこへクッチーナ(厨房)から
シェフがお出ましだ。
「ご指摘、本当に
 ありがとうございました」

いいねェ、いいですねェ。
J.C.はこういう人が好き。
中にはヘソを曲げて
(フン、素人に何が判る!)
心の内で悪態をつく料理人が
居ないこともない。

今の世の中、素直に頭を
下げることの出来る人は貴重。
久しぶりの訪れだったが
近いうちにまたおジャマしよう。

すぐ近くの広場にある、
童謡「赤い靴」のモデル、
きみちゃんの像に立ち寄り、
やさしく頭を撫でた。
スッキリ晴れやかな気持ちで
夜の十番から六本木へと
芋洗坂を上がって往きました。

「ヴィノ ヒラタ」
 東京都港区麻布十番2-13-10
 遠藤ビル2F
 03-3456-4744