2025年7月31日木曜日

第3852話 東京の 南のはずれ 六郷土手 (その2)

京急・六郷土手の改札を出て
並行する JRの線路を目指す。
この高架下にひっそりと
店を構えるのが「しなのや」。
信濃生まれとしては
一度行っときたい店だった。

入口のひっそり感とは裏腹に
店内はそこそこ広く、
カウンターとテーブル席に加え、
小上りまで配備されていた。

「こんにちわ!こちらへどうぞ」
お運びの娘さんが明るく元気。
速やかに二人掛けのテーブルへ。

ランチメニューがズラリ。
例によって当方は飯よりも酒。
ドライ大瓶を通しながら
彼女につまみメニューを訊ねると
「すみませ~ん!
 お昼は定食だけなんです」
「あっそう、ちょっと待ってネ」
「本当に申し訳ないです」
「いや、いいの、いいの」
いいコだなァ。
いいお嫁さんになれるヨ。

1枚の貼り紙に目がとまる。
開業 昭和五十二年
地名 六郷番外地
屋号 しなのや
開業は「青い滑走路」の2年後で
此処は番外地だったが今は
箸袋に六郷土手駅前通りとある。

刺身・天ぷら・トンカツ・
焼き肉・焼き魚などなど。
本日の日替わり定食に
カミカツカレーがあった。
カミカツは薄いトンカツで
J.C.は子どもの頃から好き。
ライス半分でお願いした。

くだんのいいコが
「小鉢とかお新香とか、
 先にお持ちしましょうか?」
どこまでいいコなんだ、
このコは!

昆布佃煮・しば漬け・
ケチャスパが卓に並ぶ。
大瓶を半分飲んで
残りをカミカツ用にとっておく。

わかめ味噌汁・キャベツサラダを
従えてカツカレーが運ばれた。
あちゃ~! カレーがカツに
ブッカかっちゃってるヨ。
せめて半身には
かけないで欲しかった。
ソースで食べたいからネ。

まずまず美味しくいただいて
お勘定は1650円也。
「どうもごちそうさま」
「ありがとうございます。
 またお待ちていま~す」
孫息子でもいりゃあ、
嫁に貰ってやるんだがなァ。

「しなのや」
 東京都大田区西六郷4-17
 03-3739-4211