2011年8月2日火曜日

第109話 骨肉茶をご存知? (その2)

小田急線・祖師谷大蔵のマレー料理店、
その名も「馬来西亜マレー」にて
メニューブックに骨肉茶の文字を認めた。
マレーシアやシンガポールではこれをバクテーと読む。
動物の骨を砕いたものを煎じ、
お茶にして飲む、というのではまったくない。
そんなモンは誰も飲まないだろう。

メニューブックにあった説明書きを見てみよう。
原文を原色でそのままお届けする。

当店看板メニューの
「バクテー」「肉骨茶」と書きます
今から130年以上前頃
マレーシアの港町ポートクランに
住み付いた中国福建省の人達が創った
薬膳肉スープかけご飯のことです
今でもマレーシア中の
何処の屋台でも食べることが出来る
庶民の朝ご飯です
シンガポールでも食べられますが
中国・台湾・香港では見かけないようです

これでは思い浮かべにくいので
百聞は一見にしかず、写真をご覧あれ。

骨付き豚肉に椎茸がいっぱい

丁子(クローヴ)が主張する薬膳スープに
なぐさみ程度のレタス以外は何もない。
店主はこれをライスにぶっかけて食せ!とのたまうが
そのやり口は好みではない。
別々に口に運ぶほうが美味しく食べられる。
ちょうど定食屋で、豚汁と飯をやっつけるようにネ。

う~む、シンガポールでよく食べた代物とは微妙に違うナ。
椎茸のせいもあってか、こちらのほうが薬膳色が強い。
ほかにはチリ・ジャガと称するポテトサラダ。
マレー半島のジャングルに自生する木の実、
プタイを使ったプタイカレー。
同じく木の実のアサムを発酵させたタマリンドを
揚げ玉子に添えたフライエッグ・タマリンド。
いろいろ楽しんだ末に、締めはサンバルゴレンだ。
サンバルは小海老の塩漬け入りチリソースで
これに干し海老を加えた焼きめしである。

韓国風わかめスープみたいのが付く

ココナッツとドリアンが選べるアイスクリームに
タピオカや杏仁豆腐など、
甘味も豊富ながらデザートはパス。
相方も甘いものには食指を動かさない。

店内は地元のカップルを中心に客が入替わり立替わり。
確かに料理はよかったけれど、
世田谷区民が盛んにほめそやすほどではない。
様々な人種の集まる都心の料理店は
賛否両論が上手くこなれて信頼感指数が高まるが
郊外区にある店のケースは
ジモティによるひいきの引き倒しに要注意。
それを割引かずにのこのこ出向くと
ほぞを噛むことが大いにありますぞ。

「馬来西亜マレー」
 東京都世田谷区祖師谷4-21-1
 03-3484-0858