2011年8月25日木曜日

第126話 喉が渇いちゃ 戦(いくさ)は出来ぬ (その1)

平均すると、月に3~4回ほど麻雀卓を囲んでいる。
板橋の友人宅での月例会は自分で牌を積む手積み。
あとは御茶ノ水の雀荘「竹馬」で1~2回と
高田馬場の雀荘「ワセダ」で1~2ヶ月に1回の割合いである。

「竹馬」は学生時代の1972~3年頃、
バイト先の同僚たちと通った。
仲間に明大生がおり、彼のなじみの店だったように記憶する。
今年の春、40年ぶりにに訪れてからというもの、
定期的に顔を出すようになった。
当時はまだアンちゃんだった店番も今じゃすっかり老け込み、
昔の面影すら宿らぬオヤジに変貌した。
明治の学生はあまり麻雀を打たないのだろう、
店はいつもガラガラ状態、閑古鳥が鳴いている。

高田馬場のほうは雀代の安さが拍車を掛けたものか、
いつも満卓に近い盛況ぶりで熱気がムンムン。
おそらく客のほとんどは早大生であろう。
それにしてもヤツらは五月蝿いねェ。
マナーもクソもあったものではない。
ハネ満なんぞ上がろうものなら、天地雷鳴の大騒ぎである。
終始、黙りこくって打つのも不気味だけれど、
もうちょっと静かに打牌できないものかしら・・・。

で、御茶ノ水のケースだ。
雀荘「竹馬」は周恩来ゆかりの中華料理店、
「漢陽楼」の地下にあり、経営は一緒。
したがって食事は上から取ることができる。
ただし、餃子が1時間経っても出て来なかったりもする。
据え置きのビールが喉に合わないマイナー銘柄だったため、
好みのものを上から調達してもらうように変えた。

プレイ中はビールを飲み続けることになるが
一戦交える前に必ずどこかで軽い晩酌を楽しむのが常。
喉が渇いちゃ、戦は出来ぬ、なのである。
この際に適当な角打ちか立ち飲みでもあれば、
それがベストながら、御茶ノ水界隈、
いわゆる駿河台や神保町にそういうスポットがないのが困る。
つまみ抜きで1~2杯飲れる店が心底ほしいと思うのだ。

目を海外に転ずれば、ロンドンのパブ、ローマのバール、
はたまたニューヨークのバーのような存在が
この美食の街・東京ではなかなか見当たらない。
お隣りの神田はさすがにオヤジの聖地の面目躍如、
角打ちはともかくも立ち飲みにこと欠かないのは便利だ。
ところ変われば品変わるで
ここは依然として学業と出版の街なのである。

とは言うものの、蛇の道はヘビ。
おめおめと指をくわえてるJ.C.ではない。
ちゃあんとそれなりの手駒は揃えてある。
では、どんなところで飲んでいるのであろうか。

=つづく=