2018年6月25日月曜日

第1900話 焼きとん屋の焼肉

くさやオジさんを連れて四ツ木の2軒目。
先刻、駅から「ゑびす」までの道すがら、
前を通った焼きとん屋「吉か」に入った。
こちらも「ゑびす」と同じく、地元の人気店である。

開店の17時直後につき、先客はテーブルの1組のみ。
われわれはカウンターの左隅、
焼き台の真ん前に陣をとった。
ちょいと熱いが店主の手元丸見えの上席だ。

互いにビールに戻りたくなってスーパードライの大瓶。
お腹はかなりくちくなっているから
串は厳選にも厳選を重ねて注文しなければならない。
相方に任せっきりだと、
トンデモない事態を引き起こす懸念があるため、
ここでは当方が主導権を握った。

タン(塩)、こめかみ(塩)、テッポウ(ニンニク)、
そして特別に味付けされた焼肉というのを
それぞれ2本づつ通した。
気がつけば客が続々と押し寄せて
テーブルはほとんど埋まりつつある。
焼き方はてんてこ舞いの様子だ。

ビールは1本だけにして次は冷酒。
大関の300ml入りだったかな?
それを1本づつ飲んだ。
普段、飲みつけている菊正よりも甘めながら
嫌いな銘柄ではない。

やんちゃな相方が店主にいろいろ質問し始めた。
隣りで女将がハラハラして見ている。
「オヤジさん忙しいんだからあまり話しかけないのっ」
こう諫めると、すかさず女将、
「そう、そう、そうなのヨ」
ハハハ、くさやオジさんテレ笑い。
焼きとんオヤジは苦笑い。

タン、こめかみはどちらもグッド。
テッポウはそんなに硬くはないんだが
とにかくクニュコリ感強く、なかなか飲み込めない。
先刻のくさや同様に適当なところで嚥下したら
此度はノドチンコに痛みが走らなかった。
やれやれ。

最後の1本は焼肉というやつである。
部位はハラミでこれもまた串打ちされて出てきた。
噛み締めてみると、
おう、なるほど、本当に焼肉味だネ。
正真正銘、朝鮮焼肉の味付けだった。
ふ~ん、こういうのもアリなんだ。

すっかり出来上がったMr.Kusaya を
引きずるようにして四ツ木駅に戻る。
こちら北東、あちら南西、
酔いの口、もとい、宵の口にサヨウナラ。
葛飾・四ツ木、どこまでも平和なり。

「吉か」
 東京都葛飾区四つ木1-14-5
 03-3691-4211