2020年7月6日月曜日

第2430話 銀座と日比谷を往ったり来たり (その1)

この日は久しぶりに友人と銀座で夕食の予定。
人と会うのは2月末以来だから実に4ヶ月ぶりだ。
期間中、外出自粛はしなかったが
友人・知人と食事をともにしたり、
酒を酌み交わしたりはまったくなかった。

居酒屋の大将、おばんざい屋の女将、
バールのバーテンダレスと
グラスを合わせることはあっても
相手はみなお店の人たちであった。

晩めしなのに家を出たのは昼下がり。
約束まで3時間以上もある。
この期間中、上野と浅草の状況は把握していたが
銀座はほったらかし同然だった。
ちょうどよい機会につき、東銀座から西銀座、
1丁目から8丁目まで、つぶさに観察する腹積もり。
いや、歩いた、歩いた、歩きまくりやした。

そろそろ一休みしようと
「銀座ライオン」のフラッグシップ・ショップ、
七丁目店にやって来たら、けっこうな客の入りで
店内はワイワイガヤガヤ、とてつもなくやかましい。
片隅で独り静かに飲む気になれず、ヨソに廻った。
ところが、翼を休めるに適当な店が見つからない。

ちょうど1年前の6月を思い出す。
あのときも銀座をさんざん徘徊した挙句、
日比谷のミッドタウンに救われたのだった。
此度も同じ場所に助けを求めよう。

ちなみに此処の正式名称は東京ミッドタウン日比谷。
先達の六本木はシンプルに東京ミッドタウン。
紛らわしいったらありゃしない。
もっとも賢明なJ.C.はそれぞれ、
日比谷ミッドタウン、六本木ミッドタウンと呼ぶがネ。

それにつけても建物に
ミッドタウンなんて名称を付けるかい?
この国のアホ首相同様、センスレスの馬鹿丸出し。
マンハッタンのミッドタウンに棲む、
ニューヨーカーの失笑が聞こえてきそうだ。

地下のフードホールに降り、
全8店舗を一めぐりして居場所の物色。
どこでもいいんだ、
軽いつまみで軽く飲めれば、それでいいんだ。

スペイン・バルが理想ながら
今宵はスペイン料理に軸足を置いた店、
かぶらせたくはない。
オイスター・バーで生がきを3~4粒いっとこうか?
だけどねェ、暑い時期に牡蠣ってのもなァ。
ピンときたのが半月前に立ち寄った、
高級立ち飲み酒場でありました。

=つづく=