ヘアカットの翌日、そして翌々日。
尾山台「オー
ボン ヴュー タン」で購入した、
キュイ・フランセーズ(フレンチ惣菜)を
二夜に渡り、楽しんだ。
野菜不足を補てんするため、
キャロット・ラペとサラダ・ニソワーズを手造りし、
ガルニテュールはアリコ・ヴェール(インゲン)のソテー。
バゲットと赤ワイン(ピノ・ノワール)も手抜かりなく。
ひな鶏のロティは火の通り良く繊細な焼き上がり。
電レンでチンする際、ロマラン(ローズマリー)を散らす。
ディジョン・マスタードが美味しさに拍車をかけた。
トゥールーズ風ソシスは店員さんに15分たっぷり
中火で焼くよう指示されたが
弱火でゆっくりとじっくりと焼き上げる。
焼けども焼けども驚くほど脂が溶け出してくるので
ゆうに45分はかかった。
手間ヒマ掛けたわりに仕上がりは良からず。
とにかくシツッコい。
コレには種入りマスタードの助けを借りる。
一番楽しみにしていたピエ
ド コション。
豚足のカツレツにはエストラゴンのマスタードと
コルニッションを添える。
なかなか食べる機会のない料理だけに残る印象は深い。
この惑星で豚足を食らうのは
フランス、中国、朝鮮の人々くらいではなかろうか?
少なくとも英・米人は見向きもしないネ。
花の都・パリのレ・アール地区に
「オー ピエ
ド コション(仔豚足亭)」という、
ビストロがあり、J.C.は二度訪れている。
初回はちょうど半世紀前、‘71年の春。
この頃はまだパリの台所、中央市場が此処にあり、
独特のアンビアンスが訪れる者を魅了しつくしていた。
例えれば、かつての築地、
それも真夜中の場内市場といった趣きだ。
旅行中に知り合った日本人男女4人で入店し、
豚足とオニオン・グラタンで安い赤を酌み交わした。
二度目は四半世紀前、‘96年の夏。
ストックホルムに友人を訪ねたあと、パリに回ったが
築地同様、すでに市場は移転しており、
デカ箱のポンピドー・センターが雰囲気をブチ壊していた。
このときは独りで仏産ブロン種の生がきと
やはり豚足で安い白を手酌で飲った。
さかのぼること、奇しくも50年と25年。
節目、節目であまりに区切りが良すぎるため、