直角に交わりつつ、石神井川が隅田川に注ぎ込む光景は
神田川が隅田に合流する、柳橋の景色ほどの風情がない。
浚渫（しゅんせつ）でもやらかしているのか
クレーンが何本も突っ立って無粋きわまりない。
おっと、こっちはヒマに任せて散歩中。
あちらは皆さん、お仕事中だ。
反省しながら隅田の右岸を上流に向かった。
ほ～お、柳橋・蔵前橋界隈にクリソツな
リバー・テラスじゃないか―。
まだ出来立てのホヤホヤでいかにも真新しい。
北区と足立区を結ぶ豊島橋を渡った。
豊島区でもないのに北区・王子の北東部には
豊島１～８丁目がかなりの広さで拡がっている。
豊島橋の東詰から道は左にドッグレッグし、
ほどなく荒川に架かる江北橋。
この辺りは隅田川と荒川がかなり接近する地点で
地番は宮城県でもないのに足立区・宮城１丁目だ。
江北橋を渡っておよそ１km、往く道が尾久橋通りと交差した。
地上を走る日暮里・舎人ライナーの扇大橋駅がある。
此処を右折し、都心方向へ進路を南に変え、
再びおよそ１km、扇大橋で荒川を渡り返す。
この橋は隅田川の尾久橋とほとんど連結している。
両橋足下の地番は足立区・小台１丁目。
此処は両川が最も接近する場所なのだ。
尾久橋の橋上で思い返す。
10日ほど前、町屋から北千住へ尾竹橋を渡ったが
雰囲気漂うあちらに比べ、情緒がまったくない。
日・舎ライナーのせいもあるが即物的に過ぎた。
ところが上流方向の川面を見やると、何たるシアワセ。
水鳥の群れがスイスイ、スーダララッタと泳いでる。
おおっ、アレはまたもやオオバンだ！
彼らは十数羽もいて、これが本当のオオバン振る舞い。
上野の不忍池なんか、せいぜい３～４羽だもの。
いや、マイッたな、いや、うれしいな。
オオバンにサヨナラし、熊野前、田端新町を経て西日暮里。
２時間半も動き回り、二人ともノドがカラカラだ。
駅そばの「はってん食堂」に立ち寄った。
J.C.はある時期、当店にはずいぶんお世話になった。
それも真夜中に―。
さっそくドライの大瓶をグラスに満たし、カッチンコ。
つまみはボードの小皿を自分でチンして運ぶシステム。
ヨセちゃんが揚げ出し豆腐と
ウインナーエッグスを持ってきた。
赤ウインナーを１本だけ譲り受ける。
ストマック・キャパにおける彼我の差は大きい。
と言いながら先方は大瓶１本弱、こちとらは２本強。
固形物はムリでも液体なら任しとけ！ てなもんや三度笠。
門限迫る相方のため、18時前にお開きとした、
良い子たちでありました。
「はってん食堂」
東京都荒川区西日暮里5-14-12
03-5811-6126
