裕やんに別れを告げて五反田駅。
朝食が遅かったから
いや、ブランチだったので
何も食べたくはない。
どこかへ移動しよう。
歩いてもいいが、せっかく駅に来たんだし・・・。
乗り入れる路線は3本。
JR山手線、東急池上線、都営浅草線。
このとき西島三重子が歌い始めたので
古い電車のドアのそばに立ちたくなった。
♪ 終電時刻を確かめて
あなたは私と駅を出た
角のフルーツショップだけが
灯りともす夜更けに
商店街を通り抜け
踏切渡った時だわね
待っていますとつぶやいたら
突然抱いてくれたわ
あとからあとから涙あふれて
後ろ姿さえ見えなかったの
池上線が走る町に
あなたは二度と来ないのね
池上線に揺られながら
今日も帰る私なの ♪
(作詞:佐藤順英)
「池上線」は1976年4月のリリース。
彼女のセカンド・シングルは
前年9月発売のファースト・アルバム、
「風車」に収録されている。
上記の歌詞はその2番。
ここで問題となるのは二人が出たのは
どの駅なのか? このことである。
西島自身はイベントで
「どの駅かとよく聞かれるが、
あなたの心の中にある池上線の駅を
思い浮かべてほしい」と語っている。
さすがですネ。
もっとも東急電鉄とタイアップした彼女。
限定してしまうと
曲による知名度アップの恩恵が
他の駅に及ばなくなるため、
こう応じざるを得ない事情もあったろう。
=つづく=