2022年5月9日月曜日

第3010話 町屋の町で春を味わう (その1)

陽が西に傾き始めた頃に家を出た。
散歩を兼てた止まり木探しである。
不忍通りを道灌山下で右折し、、
真っすぐ行って宮地の交差点。
幹線道路が絡み合うところだ。

直進すれば三ノ輪、右手は三河島、
左に曲がって町屋をチョイス。
尾竹橋通りを数分歩き、駅前到着は16時。
すでに2軒の候補店があった。
まっ、どちらか開いてるだろう。

最初に「ときわ」へ。
大衆食堂兼居酒屋だが居酒屋色が強い。
ところが休憩中で夜の営業は17時からだ。
チンチン電車の線路を渡り返し、「丸福」へ。
これも大衆食堂兼居酒屋だが逆に食堂色が濃い。
あらァ、17時スタートじゃないかー。

結局は薬局、
線路沿いをぶらついて「ときわ」に戻った。
見覚えのない大柄なオネエさんが
独りで接客に当たっている。

ドライの大瓶を飲んでいたら
「今が旬のウルイのヌタがオススメです」
素直に従う。
(この日はまだ4月だった)

同時に金目鯛の刺身をー。
通年食べられるキンメは
強いていうと冬場が旬だけど
華やかな色合いが春めきを感じさせる。

食味はともによかった。
山菜はキャベツや白菜みたいに
どっさり来ないのがありがたい。

金目刺しは淡白な味わい。
白身、それも希少なサカナに出逢うと
ついつい、食指が動いてしまう。
この春はハッカク、カサゴ、コチ、
クロソイ、ホッケを賞味した。

冷酒への移行を考えたものの、
思い直して大瓶をもう1本。
そしてグラタンコロッケを追加する。
これはマカロニグラタンの種を揚げたもの。
有りそうで意外に無かったメニューだネ。

=つづく=