髪もすっきりと、かむろ坂を降った。
山手通りを横断し、
右前方に進めば五反田、左なら目黒だ。
右手に取って裕やんだんだんへ。
映画(嵐を呼ぶ男)ではああだった、こうだったと
しばし辺りにたたずむのは毎度のこと。
予定としては漠然と、芝大門でカツカレー。
都営浅草線に乗ってはみたが
昼の玉子サンドがまだ消化しきれていない。
こりゃ、ライス半分でもムリだわ。
大門で降りたものの、
改札を出ずに大江戸線に乗り換えた。
門仲か森下の酒場が妥当だろう。
軽くつまめて飲めればいいや。
門前仲町下車。
しばらくぶりの立ち飲み「ますらお」へ。
時刻は17時、客でいっぱいのカウンターに
スペースを作ってもらい、どうにか滑り込む。
当店の生はプレモル、瓶は一番搾り。
よって最初の1杯は生搾りすだちサワー。
頭上のメニューを見上げた。
金目鯛炙り刺し、かつお刺しが1番目と2番目に。
「ますらお」に来れば頼むのかつお刺しを。
炙り金目のにぎりのところに
=ニンニク醤油で=
一筆を目ざとく見つけ、そいつをお願いした。
かつおには何てたってニンニクだもんネ。
両サイドの独り飲みもかつおを突ついていた。
狭い場所にかつおが3皿並んじまった。
メニューには刺しとあったが
実際は皮目を炙ったたたきである。
美しい6切れの脇には
おろし生姜、きざみ小ねぎ、貝割れ大根。
いやはや、実に美味い。
お隣りさんを含め、3皿すべてが背身。
腹身は仕入れていないんだ。
当店のかつおはいつも当たり、まず外さない。
店主の目利きの賜物と言うほかはない。
サントリー知多のソーダ割りに切り替えた。
このグレンウイスキーは好きで
生ものとの相性もよろしい。
さらに何か1品と思ったが
かつおが良すぎてほかに食指が動かない。
1皿6切れで満足だから
とてもじゃないがカツカレーは無理だよネ。
知多ハイをお替わりし、お勘定は2400円也。
帰りしな御徒町のブレイクルームに立ち寄り、
プラコップの生を2杯いただいて帰ります。
「ますらお」
東京都江東区富岡1-5-15伊藤ビル2F
03-5809-8256