♪ 知らない街を 歩いてみたい
どこか遠くへ 行きたい ♪
(作詞:永六輔)
朝、目覚めて歯を磨いていたら
ジェリー藤尾の「遠くへ行きたい」が聴こえてきた。
そうだ、今日は知らない街に行こう。
あまり遠くへは行きたくないけど。
向かったのは足立区・六町(ろくちょう)。
つくばエクスプレス(TX)で北千住の2駅先だ。
六町は名前の通り、街とは呼べない小さな町。
畑の中をバスしか走っていないところに
TXが開通したのは平成17年、奇しくも17年前。
下調べして候補を日本そば屋と食堂に絞った。
どっちにしようかな?
取り合えず駅近の「川船」に立ち寄ると本日休業。
10分歩き、「三岩食堂」にやって来た。
白地の暖簾に”三岩食堂 登録商標”の黒文字。
思い出すなァ。
今は無き浅草すし屋横丁の「三岩」。
あすこの穴子天ぷらはバツのグンだった。
老夫婦お二人の切盛りのようだ、
腰の曲がったオバアちゃんが接客してくれる。
ドライの大瓶をお願いし、壁の品札を見上げた。
焼めし(690円)とピリ辛焼めし(730円)に注目。
焼めしかァ・・・。
昭和の庶民の味方も今じゃ絶滅危惧種、
食堂の品書きにその姿を見ることがなくなった。
ピリ辛なんて昭和にはその言葉さえなかったので
フツーの焼めしをオバアちゃんにお願い。
あらためてオジイちゃんを見たら
髪の毛は失われてもずいぶん若い。
こりゃつれ合いじゃないネ、息子だネ。
若いカップルが入店して来てオトコのほうが
「魚フライ定食を注文したら何が出るんすか?」
店主応えて
「今日はイワシだけだけど・・・」
「いいッスヨ」
「何にする?」
「ワタシ、刺身定食にする」
「あと刺身定食で!」
「今日はマグロだけなんだけど・・・」
彼女、コクリとうなづき
「それでいいッス」
二人の注文は無事通った。
他人のことより自分の焼めし。
具材は脂身の全くない豚小間切れ、
玉ねぎと玉子、仕上げに青海苔パラパラ。
あとは豆腐の味噌汁、
きゅうりぬか漬け&たくあん2切れづつ。
フツーに美味しくいただいた。
お勘定は1390円。
駅前に戻ってしばし散策するが何もない。
TXで浅草か新御徒町に戻ろうか?
いや、綾瀬行きのバスを待つことにしました。
「三岩食堂」
東京都足立区一ツ家3-23-6
03-3859-1927