2022年9月12日月曜日

第3100話 さまよえる葛飾・江戸川 (その1)

「更科ゆたか」でそばを食べずにビールと馬刺し。
このあと何処へ行こうかな?
頭上のTV画面を目で追いながら考えていた。

会計時、親切なオバちゃんに
「青砥駅の周りにバス停ってありますか?」
彼女、オモテを指さしながら
「あそこに信号があるでしょ?
 あれを左に曲がったとこに
 新小岩に行くバス停が・・・」
「ハイ、ハイ、どうもごちそうさま」
「ありがとうございましたァ!」

そうして到着した新小岩東北広場。
すでに15時近くで間に合うかなと思いつつ、
町中華「五十番」へ赴くと、暖簾が出ていてセーフ。
苦手銘柄の中瓶を通したらザーサイが付いてきた。

胃袋に余裕があるのでラーメン(380円)を発注。
ややちぢれ麺は細くも太くもない標準サイズ。
スープは昭和の匂いの鶏ガラ醤油。
具材はももチャーシュー、ナルト2枚、わかめ。
滅多に遭遇しないシナチクレスなれど
値段が値段だし、補うためのナルト2枚なのかな?

食べ終えてあらためてドンブリを眺める。
定番の雷文模様ではなく、三羽の鳳凰が舞っていた。
特注品かもしれない。

平和橋通りを渡り、駅近方面へ移動。
急に飲み屋が増えるなか、
狙いはなじみの立ち飲み酒場「しげきん」だ。
さっそく泡ナシ中ジョッキで生き返る。

頭上の品書きをチェックしたら
本日の特別料理に北寄貝の刺身あり。
前夜の浅草「美家古寿司」では
お通しにヒモ&柱が出たため、にぎりはパスした。

だからというんじゃないが
ラーメン後でも苦にならない軽物を所望。
おや? 北寄の札が外されたヨ。
最後の1個だったんだネ。

すると接客のオバちゃん、
伝票にあった450円を400円に書き換えた。
「サイズが小さいのでお引きします」ー
東京東側の厚い人情を感じる。

西だったらこんなことはないものと思われた。
別に西側が嫌いなわけじゃないけど
やはり都の東が肌に合うんだ。

=つづく=

「五十番」
 東京都葛飾区新小岩2-13-2
 03-3674-0875