かにチャーハンを宿して
ふくらんだお腹を抱え、南青山をぶ~らぶら。
ふと思い立ち、近所の青山学院大学に向かう。
キャンパスに足を踏み入れるのは二度目だ。
前回は1972年7月、きっかり50年前のこと。
実は学生時代のGF・M子が
当院の学生で二つ年上だった。
彼女との出逢いはその前年の春。
スペインの首都・マドリッドのアトーチャ駅だ。
トレド行きの列車内で
たまたま向かい合わせに座った。
旅は道連れ、トレドの街を一緒に歩いたのが始まり。
訊けば、青学からサラマンカ大に留学中とのこと。
驚いたのは同じ長野県人で篠ノ井の出身。
高校が長野西高と来たもんだ。
J.C.の生家は西高前の坂を下り切ったところ。
善光寺の裏横にあたる。
そして西高は母親の母校、M子は後輩なのだ。
J.C.自身も付属幼稚園に通ったから
そのまた後輩と言えなくもない。
翌年、彼女と再会したのが青学の学食。
お茶を飲み、近くで晩めしを食べたはずだが
店の記憶が抜け落ちている。
たぶん、骨董通りだったような・・・。
あれから50年。
正門を入ってすぐ左手の学食に行ってみると
ブックストアになっており、食堂はその地下。
ずいぶん変わってしまい、懐かしくも何ともない。
せっかくだから世に知られた礼拝堂(チャペル)へ。
ほうら、ペギー葉山が歌い始める。
♪ つたのからまるチャペルで 祈りを捧げた日
夢多かりしあの頃の 想い出をたどれば
なつかしい友の顔が 一人一人浮かぶ
思いカバンをかかえて かよったあの道
秋の日の図書館の ノートとインクのにおい
枯葉の散る窓辺 学生時代 ♪
(作詞:平岡精二)
平岡は青学の出身者。
’64年発表の「学生時代」の舞台は当大学である。
広い堂内に先客は白い服をまとった女性一人。
遠くて暗くてよく見えないが学生ではないようだ。
礼拝もせず、トイレだけ借りてきた。
この罰当たりがっ!
学生たちがあふれる広場でチャペルを振り返る。
歌詞にあった、”つた” の ”つ” の字もない。
"つた"なんかちっともからんでないじゃんよぉ。
チャペルにからんだのはJ.C.でした。
この罰当たりめ!