2022年10月19日水曜日

第2127話 ソープ街でリラックス

本日はソープ街・吉原に出没。
いえ、泡にまみれるんじゃなくて泡を飲むために。
おっと、ビールは泡ナシ派でありました。

見返り柳を見返りもせず、
メインストリートの仲之町通りを往く。
ソープランドの数がずいぶん減った気がする。

京町通りへ左折してしばらく、
花園通りにぶつかる手前をまた左、
信楽焼のたぬきに迎えられ、
日本そば屋「梅月」の引き戸を引いた。
十数年ぶりである。

さっそくドライの中瓶を発注すると
めかぶとろろ(お通しは200円)がサーヴされた。
当店の天ぷら単品がうれしく択んだのは
キス(250円)・インゲン・玉ねぎ(各100円)
それぞれに丁寧な揚げ上がり。
粗塩・生醤油・天つゆを駆使して楽しむ。
ヨソのそば屋にぜひ見倣ってほしいアイデアだ。

前回も独り昼酒だったが
たまたま隣りに着卓したのが
明らかに夜勤明けのソープ嬢。
常連らしく店のオバちゃんに
「天ざるぅ~!」ー元気に発声した。

ひとしきりすると同僚らしきコが現れ、
「アンタ、何食べてんの?」
「天ざるだヨ」
「オバさん、アタシも天ざるぅ~!」ー
負けず劣らずの元気ジルシだ。

よほど声を掛けようと思ったが
親しくなった挙句、
「今度、指名してネ」
なんてことになったら出費がかさむ。
まっ、もともと風俗には興味がないしネ。

今日は彼女たちの姿なく、
パラパラやって来るのはオトコばかり。
ビールをもう1本もらい、そろそろ締めよう。
二つに切られた玉ねぎ天の片割れを残してあるので
シンプルなかけそばにする。
以前はそば屋に来ると、もり系一辺倒だったが
ここ数年はかけ系にも食指を動かすようになった。

かけなら普通、薬味の葱だけだが
ピンクの縁取りのかまぼこ1枚、
その上に大きめの柚子皮が1片。
こんなところに店の品格がにじみ出る。
そして白い部分のみのさらし葱が
他店の倍はある。

はたして・・・中太のそばは上々。
つゆも好きなタイプで文句なし。
昼下がりのソープ街で心身ともにリラックス。
吉原の観音さまは拝まずに
浅草寺の観音裏を散策し、家路に着きました。

「梅月」
 東京都台東区千束4-27-12
 03-3872-7588