2022年10月28日金曜日

第3134話 初めて飲んだ北池袋

ついこの間、上板橋まで乗った東武東上線に再び。
此度は始発の池袋から一つ目、北池袋下車。
目当ての店があったわけじゃない。
とにかくこの駅前で飲み食いしたことがないため、
初顔合わせを楽しむ算段だった。

大池袋を特大ロースカツに例えれば、
小北池袋はその脇の繊切りキャベツみたいな存在。
いや、いや、そのまた脇のパセリかもしれない。
誰しも素通りしてしまい、途中下車などしやしない。

短い商店街を往ったり来たり。
開いていたのは
そば屋、中華、カフェ、喫茶店の4軒。 
となれば、そば屋か中華に絞られる。

失礼ながら、そば屋はやけに変ちくりん。
craft soba を自ら謳い、屋号は「Choujyuan」。
「長寿庵」なんだろうが、また何で?
チコちゃんじゃないけど、何で?

チャーシューつけそばだの、スパム天丼だの、
思わず勘弁しておくれヨ、
声を上げたくなるモンばっかり。
奇をてらったとしか思えんな。
いや、正気の沙汰じゃないぜ。

消去法で中華「徳栄」に入店。
小皿料理の並ぶアチラ系は得意としないが
ぜいたくなど言ってられやしない。
とにもかくにも北池で飲むことに
この町に身を置くことに意義があるのだ。

ビールは瓶がキリンラガー、生は一番搾り。
中ジョッキをお願いすると、
ザーサイ&干し大根の油炒めがサービスのお通し。
こいつがなかなかイケた。
日暮里駅前の行きつけ中華は毎度ザーサイが
ビールの友だが北池は日暮里を凌駕した。

大陸系と思しきオバさんが接客。
その旦那だろう、厨房にオジさん。
14時近くになっても
近隣のリーマン&OLがあとを絶たない。
人気店なんだネ、ってゆうかァ、
ほかに選択肢がないもんなァ。

330円均一の小皿から腸詰を選択。
ときどきお世話になる腸詰は
美味少量の極みにして救いの神でもある。
山椒は小粒でピリリと辛いが
腸詰は少量でピリリと旨い。

生中をお替りし、会計は1310円也。
何だか悪いみたいだがオバさんの笑顔が
「そんなことないよぉ~」ー
そう言ってる気がした。

「徳栄」
 東京都豊島区池袋本町4-2-1
 03-3982-4591