寅年の外飲みも今日限り。
浅草は行ったし、歳末の上野は地獄参りも同じこと。
でも前日の人形町に学ばなければいけない。
混雑は避けたいがシャッタータウンもご免被る。
お婆ちゃんの原宿なんかほどよいんじゃないかな?
池袋東口行きのバスを巣鴨駅北口で降りた。
巣鴨地蔵通りを往くものの開いてる店は多くない。
こりゃ、人形町の二の舞かー。
そば屋、うなぎ屋には短い行列。
界隈に3軒もある「ときわ食堂」は前日で終了。
滑り止めを失い.、庚申塚まで歩いた末に
収穫がないままUターン。
来た道を歩いて振り出しの巣鴨北口に戻った。
入ったのは昭和43年開店の喫茶「ポピー」。
実は翌44年、白山通りをはさんで
真向かいの「コージー・コーナー」に
ひと夏お世話になった。
数年前に閉業しちまったけど。
高三当時のGFはとげぬき地蔵脇の米屋の娘。
近くの巣鴨図書館で受験勉強のあと、
「コージー」でお茶するのが日課だったが
間口の狭い地下にある「ポピー」は
完全にノーマークで存在を認知せず。
数カ月前に発見後、そのうち訪ねようと心して
ちょうど良い機会に恵まれたわけだ。
ラッキーなことにビールがあり、
しかもドライ中瓶、ナポリタンとともに通す。
この寅年、最初で最後のナポリタン。
フロアに初老の、いや、中老かな?
ご夫婦と思しき二人。
喫茶の練達といった雰囲気を醸している。
ソファに腰をうずめ、ビールを飲みながら
昔の恋人に再会したような気分に浸っていた。
タバスコ&粉チーズで味わうナポリタンは
そこそこながら、居心地はとても好い。
中途半端なアイドルタイムに
貴重なガスステーションとなるネ、これからも。
掛け時計の針が14時を回った。
すぐそばの「ほていちゃん」が開店してるハズ。
コロナ禍で軒並み酒類の販売を控える中、
都内各地の「ほてい」には本当にお世話になった。
それが何処でも飲めるようになってから
足が遠のいてしまった。
こういうのって苦学生、
あるいは売れない作家や画家が
生活を支えてくれた年上の愛人を
食えるようになったからって
棄てちまうのと同罪じゃないかー。
カウンターに立ち、赤星大瓶&春菊かき揚げ。
やはりこれはイカンぜ、男の恥だぜ。
BGMの「待つわ」(あみん)、
「メモリーグラス」(堀江淳)を聴きながら
今年は「ほていちゃん」をもっと利用するゾ。
深く反省したJ.C.でした。
「ポピー」
東京都豊島区巣鴨2-1-1
03-3918-3646
「ほていちゃん 巣鴨店」
東京都豊島区巣鴨2-1-5
03-5972-1666