後楽園のある文京区・後楽の北西隣りに
水道という町がある。
神田川を挟んだ向かいは新宿区・水道町。
後楽園に戻り、向こう岸の千代田区には
水道を冠した町が無いが
代わりにJR総武線・水道橋駅がある。
とにかく界隈は”水道”だらけ。
これはこの地に古くからあった、
神田上水水道に由来する。
神田上水は玉川上水とともに
江戸の二大上水であった。
この水道の町に「石ばし」と「はし本」。
2軒の老舗鰻料理店がある。
2軒に挟まれるようにして「居酒屋 いずみ」。
文教の街・文京区には珍しい優良居酒屋だ。
神保町で映画を観たあとに訪れた。
開店直後の17時過ぎとあって先客はナシ。
カウンターの一番奥に着き、赤星の中瓶を。
お通しは、玉こんにゃく・竹輪・大根の煮物。
おでんをより甘辛くした味付けだ。
おっと、品書きにウマハギ刺しがある。
紛れもないウマヅラ皮ハギは
板さんに確認したらやはり肝付き。
皮ハギは肝が命だからネ。
国会で気安く”命がけ”なんて
時代錯誤の言葉を口にするアホの命より、
よほど大事な命が此処にあった。
かなりの量の刺身が配膳された。
ヒマに任せて数えてみたら19切れもー。
肝を溶かし込んだりもしながら
ポン酢と生醤油、二つの味で楽しんだ。
信州の清酒、戸隠に移行するとヤケに甘い。
失敗したと悔やみつつも一計を案じた。
お通しの煮物の助けを借りながら
交互に味わうと煮汁の甘さが酒を修正する。
日本酒でもワインでも甘さを感じたら
甘いつまみのアシストが重要。
甘いヤツには甘さで対抗するのが一番だ。
まだちょいと飲み足りないので
茜霧島のロックを所望。
うん、これはいいネ。
スッキリとした突き抜け感があり、
黒・赤・白などのシリーズ中、
茜が一番好きかもしれない。
神田川沿いにポツンと灯を点す「いずみ」。
文京区民として支えたい1軒であります。
「居酒屋 いずみ」
東京都文京区水道2-4-4
03-3815-6594