東京に泪橋は二つある、北と南に。
南千住の小塚原と立会川の鈴ヶ森。
それぞれ刑場に向かう場所で
科人(とがにん)と家族が
今生の別れに際し、泪にくれた。
今回、もう一つあると知った。
京王線・明大前駅から
明治大学・和泉キャンパスへの道すがら
甲州街道を跨ぐ歩道橋が
泪橋と呼ばれるそうだ。
明治大学には早稲田大学の入試に
不合格となった学生が多く、
彼らが涙して橋を渡るんだそうだ。
ホンマかいな?
明も早も大した変わりはないだろに。
取って付けたみたいで嘘っぽいな。
それはそれとして
台東・荒川の区界に位置する泪橋。
日暮里発、亀戸行きのバスに乗ってたら
泪橋交差点の一角に
居酒屋の暖簾が見え、急いで下車。
書き遅れたが此処は
「あしたのジョー」のふるさとだ。
「ニュー泉」は昼前に開いて
14時にはいったん閉じる。
看板に中華居酒屋「泉」の名残りがあるが
現在、中華は提供していない。
(肉野菜炒めはあったけど)
だから「ニュー泉」なんだネ。
観音裏「ニュー王将」同様のネーミング。
あちらは喫茶店から洋食居酒屋。
オバちゃんとオネエちゃんのツーオペだが
見えない厨房に男手もあるようだ。
ドライの中瓶を飲みながら
壁の品書きを見ているとネエさんが
「コレもありますっ!」
オススメのボードをかざしてくれる。
すかさず鯨のベーコンを通した。
言葉のイントネーションが
日本人じゃないので
「アナタは何処から来たの?」
「中国ですっ!」
「中国の何処?」
「福建省の福州」
J.C.は若い頃、シンガポールに居たが
彼の地の同僚によく言われたものだ。
もし、中国人を恋人にするんなら
福建人がいいヨ。
間違っても広東人はいけないヨ。
性格が強すぎるからネ。
=つづく=