豊島区・雑司が谷の弦巻通り。
鬼子母神あたりのそば屋に行くつもりが
途中で出逢った鮨屋に惹かれて入店の巻。
先客はカウンターに単身が二人だけ。
鯛と平目、光物のどんぶりのH&Hを
黒ラベル中瓶とともに発注した。
ふと見た壁の写真は王貞治選手と
どこかのオジさんのツーショット。
親方に訊いたらオジさんは亡き先代で
早実時代、王さんの2年後輩とのこと。
ビールのお通しなのか
おかかが載った豆腐が出て来た。
女将さんが「温めてあります」と一言。
ウン、温奴でした。
おいなりさんも一つ出て来た。
ビールのためのものではなくて
豆腐・いなり・味噌椀は
すべての注文に供される。
光物はアジ・イワシ・小肌の揃い踏み。
総勢5種のサカナは小肌こそ1枚だが
他は2~3切れあり、食べ応え十分。
いや、満足いたしました。
店は親方と女将に加え、
大女将も元気に立ち働く。
この方は先代の連れ合いだろう。
品書きにゴーヤ・もずく・豆腐ようなど
沖縄モノがチラホラ。
「親方は沖縄のご出身?」
「いえ、女房が沖縄で・・・」
そうか、なるほどネ。
にぎりの種札にしゃこが居る。
珍しい・・・食べたいな。
いや、今日はムリだが訊いてみた。
「しゃこあるんですネ?」
「ええ、置いてます」
「何処で獲れたんですか?」
「瀬戸内です、小柴はダメですから」
「以前、小柴まで行って鮨屋さんに入って
お願いしたら『お一人一匹』って
言われちゃって・・・20年も前ですヨ」
「ハハハ、そうですよネ」
しゃこ好きがしゃこに出逢うと、
看過することなどできやしない。
近々、夜にウラを返す旨、
親方に伝えて、お勘定は金2135円也。
近くの「赤丸ベーカリー」に立ち寄る。
こちらは大正12年(1923)創業。
関東大震災のあった年である。
刻んだピクルスの載るホットドッグと
開店当時は無かったであろう、
チキン南蛮ドッグをブラ下げ、
鬼子母神のけやき並木を
ぶらぶら歩いてゆきました。
「鮨義」
東京都豊島区雑司が谷2-20-9
03-3590-5826
「赤丸ベーカリー」
東京都豊島区雑司が谷1-7-1
03-3971-6624