この日は映画を2本観る。
2本のインターバルに
界隈をプラプラしていて出逢ったのは
間口の狭い焼き鳥屋「とり瑛」。
ガラス戸に鳥の各部位が貼り出されていた。
おっ、背肝があるゾ。
はつ元・おび・アキレス・ちょうちんも。
よし、映画がハネたらここで晩酌と参ろう。
中をのぞくとスタッフが賄いの最中。
ジャマして悪いが引き戸を引いた。
懸念したのはビールの銘柄と
焼き鳥のお好み対応だ。
コース限定だと最後まで食べ切れない。
すると接客の女性曰く、
ビールはスーパードライ、お好みもOK。
即刻、18時半の予約を入れた。
その際に
「田園調布の『鳥鍈』さんとの関係は?」
「ときどき間違えられるんですけど
まったく関係ありません」
「店名は同じでも ”えい” の字が
ビミョーに違いますもんネ」
「そうです、そうです」
田園調布駅前の「鳥鍈」は
かつて長嶋茂雄御用達。
20年前に1度だけおジャマしたものの、
ミスターには悪いが
まったく感心しなかった。
本日の2本目。
横溝正史原作、市川崑監督による、
「獄門島」を見終え、向かった。
徒歩3分の距離である。
すぐ隣りにあったパチンコ店、
「人生劇場」がいつの間にやら
古本屋になっている。
名前はそのまま「Jinsei Gekijo」と
残っており、かなりモダンな大箱が
「とり瑛」を挟むように2店舗も。
チラッとのぞいて心配になった。
客が誰一人居ないんだ。
この状態が続いたら
店の Jinsei は余命いくばくもない。
それはそれとして「とり瑛」。
1階はカウンターのみだが
2階には広いスペースがあるようだ。
カウンターの一番奥に着く。
プリントアウトされた、
本日のおすすめを眺めながら
中瓶を通すと突き出しはフキの煮浸し。
おすすめの紹介は次話のお楽しみです。
=つづく=