2025年6月17日火曜日

第3820話 別府よいとこ 一度は行かにゃ

福岡県・小倉から大分県・別府へ。
温泉好きは草津よいとこと口を揃えるが
別府もかなりの人気を誇る。
もっともさほど温泉を好まぬ J.C.、
街としての別府を訪れてみたかった。

昼前に着き、バッグをホテルに預け、
駅前通りを別府湾へと歩く。
葛飾柴又の江戸川土手にも似た、
緑の芝の向こうには大海原が拡がっていた。

市街地に戻り、昼めし処の物色。
聞き慣れない別府ら~めん専門店に入る。
別府ら~めん りゅうきゅう小鉢セットを。
りゅうきゅうは大分名物、刺身のづけだ。
アジもあったがカンパチを択んだ。

博多のとんこつよりスープが色濃い。
魚介の出汁が主張して重さを感じる。
店名を訊ねたら「元祖 別府ら~めん」。
当店が発祥ということのようだ。
缶のかぼすハイボールに切り替え、
小丼ともども美味しくいただいた。

せっかくの別府、一っ風呂浴びとこう。
大正13年に地元の寄付で建てられた共同湯、
駅前高等温泉に出向くと、熱いのなんのっ!
足先をあわてて引っ込めた。
おい、おい、下手打つと火傷するぜ。
隣りのややぬる目に辛うじて浸かり、
早々に退散、くわばら、くわばら。

晩酌は飲み屋街、北浜の「チョロ松」へ。
名代の鴨吸いでドライ中瓶を2本飲んだ。
鴨肉に青ねぎ・ごぼう・豆腐・こんにゃくが
放り込まれた鍋仕立ては本来、冬のもの。
清酒をグッとこらえてハシゴと参ろう。

別府には珍しい「酒スタンド 巡」に流れた。
観光地とあって先刻の「チョロ松」は
香港・台湾など、中華系が目立ったが
こちらは欧米系が数人、立ち飲んでいる。

忌み嫌うブルックリン・ラガーだが
生があるってんで1杯お願い。
苦手なエビスでも生なら
どうにかイケるので
試した次第なれどやはりダメ。
ラガーとは名ばかり、
ペール・エール並みにヘビー級だ。

スペインはラ・マンチャの白、
ラガスカ ペット・ナットを。
こいつはスッキリと好かった。

壁のメニューにワラビ・ズッキーニ・
カリフラワーなど、やたらキムチが多い。
スタッフにキムチ専門店かと訊ねたら
店長がコリアンとのことだった。
だけどサ、此処はワインバーだぜ。

今度はタラゴナのアモール・ペルを。
これまたまずまずでスペインのワインは
値段の割に安定感がある。

夜の街をフラフラ。
スナック「Hこ」に入った。
角地の路面店はかなりの大型だ。
ママのほかに女の子が二人。

京都からの観光客のオジさんが隣りにー。
話が弾んでずいぶんグラスを重ねた。
彼が帰ったあとも長居したせいか、
勘定は銀座並みになっちまいやした。
やれやれ。

「元祖 別府ら~めん」
 大分県別府市北浜1-10
 080-3228-1700

「チョロ松」
 大分県別府市北浜1-4
 0977-21-1090

「酒スタンド 巡」
 大分県別府市北浜1-1
 080-9291-6714