この日はかつて天領だった日田へ。
その前に行き掛けの駄賃とばかり、
由布院へ立ち寄ったが行ってガッカリ。
今回の旅では此処が最悪だった。
駅から金鱗湖に続くメインストリート、
湯の坪街道があまりにもヒドい。
観光地然としてつまらん店々が並び、
若者&インバウンドだらけ。
とにかく昼めしを食わなきゃと
「古式手打ちそば 泉」に入店。
十割そばを謳うわりにこれまたヒドい。
せいろは1480円とモロに観光地値段。
東京の立ち食いそばにも及ばず、
適正価格は700円がいいところ。
由布院は温泉好きならともかく、
J.C.のような常識人には無縁の町だ。
暮れなずむ日田に到着。
古く良かりし豆田町を歩く。
上町(かみまち)通りと
御幸(みゆき)通り一帯が豆田町だが
昨日の臼杵同様にきれい過ぎる。
町全体が丸ごと博物館という日田ながら
心には響かず、むしろ花月川に架かる、
2本の古い橋の姿に旅愁を誘われた。
晩酌は「東洋軒 支店」へ。
洋食屋みたいな屋号だが人気の焼き鳥屋。
カウンターで赤星中瓶を飲み始める。
塩と酢を振ったキャベツが出て来た。
ハツ・つくね・ピーマンを塩、
レバーをタレで焼いてもらう。
ごくフツーだが客はドンドン押し寄せる。
黒霧島のロックにスイッチし、
牛サガリ&ニンニク茎の一串で締めた。
飲み足りなくて駅前の「寶屋 本店」へ。
おそらくこの町一番の有名店は
ランドマーク的な存在と言える。
ドライ中瓶と鮎うるかを通す。
うるかなんて実に久しぶり。
品書きに川魚甘露煮を見つけ、
オバちゃんに訊ねたらハヤだという。
これも珍しく即注に及んだ。
昔ながらの味わいを愛でる。
地酒の山水に切り替えた。
当店はちゃんぽんが人気だが
ご当地グルメの日田焼きそばを
麺半分でお願いした。
パリパリのソース焼きそばは悪くない。
食堂だからか客の飲酒率がかなり低い。
接客係はみんなオバちゃんで
気働き、面倒見、ともによろしい。
翌朝の日田駅、1枚のパネルに目がとまる。
兎に角にもこの日田は特色に富んでいる。
山水もまた明媚である。
人情風俗にもおもしろいところがある。
これぐらい種々のものが
混雑と雑り合っている町は九州はおろか
日本にも他類があるとは思えない。
「水郷日田」田山花袋
昨夜飲んだ地酒、山水のネーミングは
ここから来たものと思われる。
さておき、花袋先生はベタ褒めながら
J.C.にはそこそこの日田でした。
「古式手打ちそば 泉」
大分県由布市湯布院町川上1599-1
0977-85-2283
「東洋軒 支店」
大分県日田市中央1-2-8
0973-22-9388
「寶屋(たからや) 本店」
大分県日田市元町13-1
0973-24-4366