2022年10月31日月曜日

第3135話 冷え込めば 熱い豆腐が 欲しくなる

北池袋を後にして池袋に向かい、歩き始めたら
先日、青山学院のチャペルで聴いた、
ぺギー葉山がまた歌い出すじゃないかー。

♪   南国土佐を後にして
  都へ来てから 幾歳(とせ)ぞ
  思い出します 故郷の友が
  門出に歌った よさこい節を
  土佐の高知の 播磨屋橋で
  坊さんかんざし 買うをみた  ♪
   (作詞:武政英策)

「南国土佐を後にして」は1959年4月の発売。
ほどなく日本中をこの歌詞とメロディーが
席巻することとなり、同年の日活同名映画では
小林旭&浅丘ルリ子が主役を演じた。
北原三枝がまだ現役で
裕次郎とコンビを組む前の若きルリ子が愛くるしい。

歌が古過ぎてよう判らん。
おっつけ大阪の小姑から
また苦情メールが舞い込むこと必至なり。

池袋西口のロサ会館辺りを物色するも
14時ではこれといった飲み屋は見つからず。
ここでこの春、立ち寄った「三福」を思い出す。
カウンターと背後の壁の間が狭いため、
お運びのアチラ系娘たちに
背中をツンツンやられた焼きとん屋だ。

あすこなら、もう開いてるハズ。
直行すると五分の入りで入口から三番目に着いた。
ドライ大瓶にカシラを塩、レバーをタレで1本づつ。
鉄串に打たれたモツは相変わらず大ぶりだ。
J.C.は箸で串から肉を外すのが常。
左手で串を持ったら、郷ひろみじゃないが
アチチ、アチチ! そりゃそうだヨ、鉄だもんな。

黒ビール小瓶に切り替え、煮込みの豆腐のみをー。
冷え込んでくると熱い豆腐が欲しくなる。
若い頃は豆腐なんか見向きもしなかったがネ。
煮込みは昭和31年創業、当店の名代である。
品書き上も特別扱い。

=伝統の煮込み=
もつ煮込み 480円
 創業以来変わらぬ味 塩ベースのもつ煮込み
みそ煮込み 480円
 野菜がたっぷり
なか豆腐 350円
 もつなしのお豆腐だけ

熱々のなか豆腐はまことにけっこう。
きざみ葱の浮かぶつゆまで飲み干した。
腸壁に脂を蓄えたシロコロホルモンが
2片ほど混じっており、これもうれしい。

お勘定は千円札2枚でオツリが十円玉1個。
今日は背中ツンツンもさほどでなく、
快適な昼飲みとなった。

目の前の東武デパートで
マトウ鯛の開きを1枚買って帰った。
仏料理の高級食材、サン・ピエールでありまする。

「三福」
 東京都豊島区西池袋1-27-1
 03-3971-1773

2022年10月28日金曜日

第3134話 初めて飲んだ北池袋

ついこの間、上板橋まで乗った東武東上線に再び。
此度は始発の池袋から一つ目、北池袋下車。
目当ての店があったわけじゃない。
とにかくこの駅前で飲み食いしたことがないため、
初顔合わせを楽しむ算段だった。

大池袋を特大ロースカツに例えれば、
小北池袋はその脇の繊切りキャベツみたいな存在。
いや、いや、そのまた脇のパセリかもしれない。
誰しも素通りしてしまい、途中下車などしやしない。

短い商店街を往ったり来たり。
開いていたのは
そば屋、中華、カフェ、喫茶店の4軒。 
となれば、そば屋か中華に絞られる。

失礼ながら、そば屋はやけに変ちくりん。
craft soba を自ら謳い、屋号は「Choujyuan」。
「長寿庵」なんだろうが、また何で?
チコちゃんじゃないけど、何で?

チャーシューつけそばだの、スパム天丼だの、
思わず勘弁しておくれヨ、
声を上げたくなるモンばっかり。
奇をてらったとしか思えんな。
いや、正気の沙汰じゃないぜ。

消去法で中華「徳栄」に入店。
小皿料理の並ぶアチラ系は得意としないが
ぜいたくなど言ってられやしない。
とにもかくにも北池で飲むことに
この町に身を置くことに意義があるのだ。

ビールは瓶がキリンラガー、生は一番搾り。
中ジョッキをお願いすると、
ザーサイ&干し大根の油炒めがサービスのお通し。
こいつがなかなかイケた。
日暮里駅前の行きつけ中華は毎度ザーサイが
ビールの友だが北池は日暮里を凌駕した。

大陸系と思しきオバさんが接客。
その旦那だろう、厨房にオジさん。
14時近くになっても
近隣のリーマン&OLがあとを絶たない。
人気店なんだネ、ってゆうかァ、
ほかに選択肢がないもんなァ。

330円均一の小皿から腸詰を選択。
ときどきお世話になる腸詰は
美味少量の極みにして救いの神でもある。
山椒は小粒でピリリと辛いが
腸詰は少量でピリリと旨い。

生中をお替りし、会計は1310円也。
何だか悪いみたいだがオバさんの笑顔が
「そんなことないよぉ~」ー
そう言ってる気がした。

「徳栄」
 東京都豊島区池袋本町4-2-1
 03-3982-4591

2022年10月27日木曜日

第3133話 おでんと楽しむ うまソーダ

生モノをぶら下げてることだし、
何処ぞで軽く飲って早めに帰ろう。
東上線で池袋に戻るのも何だしなァ・・・。
駅前発のバスは王子行きのみ。
乗るしかないネ。

揺られながら思いをめぐらせる。
アイデアは二通り。
大和町で降りて旧中山道の仲宿辺り。
終点の王子まで完走。
結局、時間つぶしの意味合いもあって
終点の五つ手前、北区神谷町で降りた。

この春、来たときに忽然と姿を消していた、
王子のランドマーク「山田屋」の様子を見に行く。
再建とのことだったが骨組みくらい出来たかな?
あいや、まったくの手つかずじゃないかー。

近くの「宝泉」に5年ぶりで出向くと完全に満席。
17時開店の17時20分じゃ、空きそうもないや。
それではと、これも近くの「一福」へ10年ぶりでー。
カウンターに先客一人、余裕で止まり木に止まった。
切盛りは女将さん独り、以前の店主が見えない。

ドライの大瓶とレバーをタレで2本。
此処の焼きとんは2本しばりだから
単身客はあれこれ手を出せない。
ちょいと焼き過ぎで口中モゴモゴしたが
年期の入ったタレは秀の逸。
一朝一夕には出せない奥行きの深さがあった。

壁の貼り紙に”うまソーダ”あり。
スコッチのホワイトホースのハイボールで
白馬のソーダ割りだから”うまソーダ”。
あまりウイスキーを飲まないけど、お願いする。
ホワイトホースは44年ぶりだ。

あれは1978年夏の岐阜県・高山。
ホテルの名前は忘れたが階上のバーラウンジで
ホワイトホースのプレミアム・ヴァージョン、
ローガンのロックを飲んだ記憶がある。
想い出をたぐり寄せながら飲む酒は胸に沁み入る。

つまみの追加。
金目鯛の煮付けもあったが
どんなのが出て来るのか想像及ばず、
無難に目の前で煮えているおでんをー。

好物のツミレなく、スジも不在。
ちなみにJ.C.の好みは牛スジではなく、
サカナの練り物のほうである。

無いものねだりはよくない。
ハンペンとゴボ巻きを所望し、
お替りした”うまソーダ”と楽しむ。
お勘定は2千円とちょっと。

王子でJR京浜東北線に乗り、日暮里下車。
すっかり日の暮れた里のランドマーク、
夕焼けだんだんを下ってゆきました。

「一福」
 東京都北区王子1-15-4
 03-3911-9217

2022年10月26日水曜日

第3132話 遠征は石橋をたたくべし (その2)

家を出てから2時間近く。
未だ飲まず食わずの三度笠。
食わずは我慢できても飲まずはツラい。
今日はうっかりして
1球空振ったあとの2球目を用意し忘れた。

上板橋北口ロータリーにやって来た。
駅前の飲食店は
アイドルタイムも休憩しない店が多い。
立地的に家賃が高いし、人の流れも絶えないから
稼ぐに越したことはないんだ。

ロータリーに面して「大番 上板橋店」があった。
ドライの中瓶だってんで、即カウンターに止まる。
ようやく一息ついてプッファー!
上板橋駅前なのに此処の地番は常盤台である。

餃子でも何でもいいやと思いつつ、
つまみボードを見上げたら
 チャーシューと豚角煮が目にとまった。
この二者択一かな?

壁に当店の一番人気は角煮定食とある。
じゃあ、角煮にしてみよう。
いや、ちょいと待て!
ミニ角煮丼というのがあるゾ。
しかもつまみ皿よりミニ丼が安い。
ということは量が少ないハズ。
ミニ丼をさらにごはん少なめで発注。

届いたドンブリにはコロッとした角煮が4個。
味玉が丸1つに紅しょうが。
中瓶2本にじゅうぶんなアテとなってくれた。
愛想の好い女性スタッフによると
「大番」は区内に何軒か姉妹店があったものの、
現在は独立採算制に移行したという。

晩酌タイムにはまだ間があるため、
線路の反対側、南口界隈をぶ~らぶら。
よさげな鮮魚店に入ってみた。
板橋区とは思えぬ品揃えである。
多彩な刺身はノドグロやカマスまであった。

生モノを引っ下げて飲み歩くのはイヤだけど、
ガマンし切れず小肌の酢〆、
三枚おろしのシマアジの片身を購入。

当夜はシマアジ片身のそのまた半分を刺身でー。
翌日は残りをムニエルにし、小肌の酢〆。
いずれも花マルと来て
上板橋の住人はシアワセぞなもし。

「大番 上板橋店」
 東京都板橋区常盤台4-32-3
 03-3932-5088

「魚屋 成吉」
 板橋区上板橋2-2-23
 03-5399-5233

2022年10月25日火曜日

第3131話 遠征は石橋をたたくべし (その1)

東武東上線を降りたのは上板橋。
沿線の中板橋&成増には長く棲んだのに
ほとんど来ることがなかった。
しかもJ.C.は上板橋一中の卒業生なのだ。
もっとも上一中は中板橋とときわ台の間にあるガニ、
もとい、あるガネ、カニグセがまだ治らない。
カンニンどっせ。

狙いを定めたのは「COPAIN MONTMARTRE」。
すぐそばの「メゾン・モンマルトル」の姉妹店で
パンやケーキを販売するが
「C.M」はイートインも可能。
ネットで見た、立て看板に惹かれての訪れなのだ。

暑い日におすすめ
トルティーヤ&タコス 各324円
ビールと相性抜群 ❤

こんなこと書かれちゃ、遠征もやむなし。
ところがこれがつまずきの元だった。
入店して
「ビールとタコスをいただきたきますが
 ビールの銘柄は?」
すると女性スタッフがキョトン。
「ビールはありません、コーヒーでしたら・・・」

それはないぜ、セニョリータ!
言葉のやりとりをして判明したことに
彼女が働き始めたとき、
すでにビールは風と共に去りぬ、だった。
「出直します」ー言い置いて失意と共に去りぬ。

近隣を物色。
こうなりゃ食いもんはどうでもいいや、
という気になっていた。
同じ一画に「長寿庵」なる、
どこにでもありそうな屋号の日本そば屋。
暖簾をくぐり、着席する直前。
ビールケースをのぞくとエビスの瓶が林立。

出て来た店主に
「ビールはエビスだけですか?」
「ええ、そうです」
「ごめんなさい、苦手なもんで・・・」

次に見つけたのは「七兵衛」。
居酒屋みたいな名前だが
どうやらアチラ系中華のようだ。
ビールのポスターはキリン一番搾り。

これなら何とかなるだろうと
ノドをなだめすかしてステップ・インを試みるも
店頭に山と積まれた持ち帰り用のプラパック。
餃子・焼売・麻婆豆腐・炒飯・焼きそば etc・・・。
気勢をそがれてまたもや退散の巻でした。

=つづく=

2022年10月24日月曜日

第3130話 メンチボールをご存じ? (その3)

続いての2軒目は
台東区・根岸、金杉通りの「ふじ」。
なぜか当店も洋食・中華の二刀流なのだ。
これを単なる偶然とは思えぬ自分がいた。

そしてこちらもメンボーとハンバの二段構え。
当然、店主にシッツモ~ン!
店主応えてメンチボールは
丸っこくずんぐりでソースはデミグラス
ハンバーグはやや平たい楕円形の醤油味。

ハンバは未食ながら
メンボーは二度食べた。
粗い合い挽きに、これも粗みじんの
玉ねぎが「グッド・バイブレーション」。

ここでビーチ・ボーイズが歌い出したが
英語の綴りがメンドくさいのでスルーする。
ただし、この曲が彼らの
マイ・ベストであることだけは明記しておきたい。

一度目は五月の連休中に
メンボー単品とドライの中ジョッキ。
添え物は繊切キャベツとケチャスパ。
好かったネ。

二度目はついこのあいだ。
定食仕立ての半ライスに
同じく中ジョッキををお願い。
すると前回は付かなかったお通しがー。
それもこんにゃく炒め煮のデカいのが4個も。
よくよく考えると、これはお通しじゃなくって
定食の小鉢だったのかも?

メンボーには前回と同様の脇役。
ほかに大豆入りひじき煮、清湯(ラ-メンスープ)、
ぬか漬けがきゅうり、大根浅漬け&古漬け。
苦手な古漬けには箸を付けなかった。

当店も中華をこなすのでラーメンをいってみた。
ややちぢれ麺は細くも太くもない。
具材はもも肉チャーシューに
シナチク・ナルト・ほうれん草。

スープは「深川煉瓦亭」にも似た、
昭和の中華そば風ながら、
コク味はこちらのほうが深い。
これならこってり系を好む若者の許容範囲だろう。
でも、量がさほどでないからやはりダメかー。
とかくこの世はままならず。

「ふじ」
 東京都台東区根岸4-1-26
 03-3872-4998

2022年10月21日金曜日

第3129話 メンチボールをご存じ? (その2)

てなこって、懐かしのメンチボール。
J.C.の知る限り、
この料理を供する店は都内に2軒のみ。
江東区・森下の「深川煉瓦亭」と
台東区・根岸の「ふじ」である。
順次、紹介していこう。

最初に「深川煉瓦亭」。
森下の交差点と新大橋の間に位置する。
森下は下町・深川の北端に当たる。

当店は銀座の老舗、「煉瓦亭」の暖簾分け。
しかし本家にメンチボールは無い。
メニューにハンバーグもあるので違いを訊ねると
何のことはない、メンボーは煮込みハンバーグ。

好みではないが食べてみた。
なるほど焼く代わりに煮込んだハンバーグだ。
デミグラスがちょいとゆるめにつき、
卓上のソースで補う。

ウスターと中濃の間という感じで中濃に近い。
こういうのは市販されていないから
自家製ブレンドかな? 
だけど、これがいいんだっ中農!

添え物は繊切りキャベツ、レタス2枚、
カレー味のスパゲッティ。
カップのスープは中華味。
炒飯に付く清湯みたいなタイプだ。

そう、深川の「煉瓦亭」は
本家がやらない中華メニューもこなす。
創業者はいったい何処で覚えたんだろう。
ただし、麺類のみの扱い。
=中華の部=ではなく、=ソバの部=とあった。
日本そばはないけどネ。

ものは試しとラーメンも食べた。
固ゆでの中細ちぢれ麺。
もも肉チャーシューが旨い。
シナチク、ナルト、わかめに、ケレン味なきスープ。
アッサリに過ぎて若者にはダメだろう。
「二郎」ファンなど、怒り出すんじゃないかー。

中華飯類はやらないので炒飯がない。
その代わり、というんじゃあるまいけれど、
カレーライスやオムライスと並んで
今や絶滅危惧種のヤキメシがあった。

客の動向を見ていたら
洋食全般と中華ソバがほぼ半々。
オオタニさんじゃないが
二刀流が功を奏しているようだ。
ちなみにメンチボールは単品で900円。
ラーメンは700円也。

=つづく=

「深川煉瓦亭」
 東京都江東区新大橋2-7-4
 03-3631-7900