2021年6月24日木曜日

第2683話 浅草は未だ目覚めず

この月曜日、2ヶ月ぶりに禁酒令が解けた。

鮎を求める釣り人みたいに朝からワクワクしていた。

さて、何処へ?

ここはやはりエンコであろうヨ。

 

♪   エンコ生まれの 浅草育ち

  やくざ風情と 言われていても

  ドスが怖くて 渡世はできぬ ♪

  

健サンの「唐獅子牡丹」に乗り、やって来たのは浅草六区。

本日、白刃の喧嘩(でいり)、もとい、

シラフの出入りは、六区交番近くの「徳仙」だ。

 

天ぷら・鮨・とんかつ、何でもござれの和食店には

常連と思しきカップルがすでに3組、

みなさん開放感に満ちみちている。

追いつけ追い越せなんてつもりはないがドライの生を通す。

 

2日前、銀座の「泰明庵」で食べたばかりなのに

なぜか再び天丼に食指が動いた。

穴子天丼(1500円))といきたいけれど、当店は丸2尾付け。

食べ過ぎは不快の元、

自重してえび穴子天丼(1200円)をごはん半分でお願いする。

 

どんぶりには、めそっ子より一回り大きい穴子と

小柄な海老が1尾づつ、

加えて茄子とかぼちゃが1片づつ。

豆腐&三つ葉の味噌椀、白菜漬&きざみたくあんの香の物。

生のお替わりとともに平らげた。

 

そこそこ楽しめたものの、前々日の鮎天丼と比べると劣勢。

半世紀に渡り、継ぎ足しで使う丼つゆもややパンチ不足だ。

ほとんどシラフのまま、さて次はどちらにまいろうか―。

 

解禁初日、浅草は未だ目覚めていない。

8割方開いた仲見世の人出は通常の半分以下。

ホッピー通りもパラパラ開きだしたが客足は戻っていない。

まあ、月曜の昼間だからねェ。

 

「神谷バー」、「酒富士」、「ニュー浅草」みな再開は数日後。

選択肢が狭い中、雷門脇の日本そば屋「雷門 田川」へ。

前世紀末以来で、そのときの印象はイマイチながら

変わりそばのゆかり切り(1250円)に誘われた。

 

まさかOLのバッグに潜む、ふりかけのゆかりじゃあるまいな。

実際は赤しそが打ち込まれていたが香りはかなり薄い。

何よりも甘さを前面に出した、そばつゆが邪魔だてをする。

 

ビールの生は一番搾り、瓶はラガー。

地元アサヒに反旗ひるがえすが如く、キリン一辺倒。

生を所望したら、お通し(300円)は煮帆立&きゃらぶきだ。

此処でも2杯いただいた。

 

胸弾ませて乗り込んだ浅草ながら、達成感にはほど遠い。

長居してもいいことはなさそうで

雷門前から区バス・めぐりんに乗り込みましたとサ。

 

「徳仙」

 東京都台東区浅草2-4-4

 03-3841-5596

 

「雷門 田川」

 東京都台東区浅草1-18-3

 03-3841-5657