平日の午後、メトロ丸ノ内線を終点・荻窪で降りた。
此処から一駅歩き、隣りの西荻へ行くつもり。
JR中央線沿線の気に入りタウンで腹ごしらえである。
駅北口から歩き始めてすぐ、
外に立ち飲みスペースを備える喫茶店に出会った。
生ビールのテイクアウトが320円とあったが
この場所でも飲めそうな雰囲気だ。
ドアノブを引いて声を掛けたら、やはり立ち飲みOK。
グラスの黒ラベルはプラコップ代が引かれ300円。
ちなみに黒ラベルとギネスのH&Hが400円。
サイズは(中)と(小)のあいだくらい。
泡立ちが強く1分ほど待ったが望外のシアワセに文句はない。
「イマジン」は1978年の創業。
むろんジョン・レノンのあの曲を意識した店名だ。
「イマジン」のリリースは1971年。
初めて欧州を周遊した年につき、鮮明に覚えている。
もっともイングランドには行かなかったんだけどネ。
善福寺川を渡り、上荻から西荻へ。
この時点でターゲットを「出島」の皿うどん、
または「坂本屋」のかつ丼に絞り込んだ。
2軒のはざまで迷ううち「出島」の店先に差し掛かった。
こんなシチュエーションだと、身体が先に反応してしまう。
サッと入店し、スッと着座した。
その行動を弁護するかのように、あとから頭が働き出す。
(どうせ向こうはかつ丼求める客で長蛇の列だしな)
四人掛け2卓、二人掛け1卓、カウンター3席。
カウンターの一番奥で皿うどん(730円)を注文。
当店はちゃんぽん&皿うどんの専門店だが
町中華メニューもかなり揃っている。
今週の定食(780円)は
A―トリ肉の唐ガラシ炒め B―八宝菜
うわっ!スゲェ大盛りが登場したヨ、これじゃ挫折もやむなし。
箸を握る手に力を込めて挑みかかった。
パリパリ麺の食感がよい。
覆い尽くすあんかけの具材は、
豚小間、イカ、2粒だけのアサリ、
紅白2色刷りかまぼこ、キャベツ、にんじん、もやし。
道半ばで心が折れかかる。
せめてビールがあればねェ。
ダメ元で訊いてみたら、オバちゃん応えて
「すみませんねェ、国と都から言われちゃってますんでねェ」
奮闘空しく4分の1が残った。
「食べ切れなくてごめんなさい」
「いいえ、すみません、ビールがあれば食べられたのにねェ」
「うん、ホントに皿うどんはいいつまみになるもんネ」
「解除になったらまたいらしてください」
うなづいてオモテに出た。
町内めぐりの前に「坂本屋」へ直行したら14時過ぎで3人待ち。
皿うどんの決断が間違いではなかったことが証明されました。
「出島」
東京都杉並区西荻北2-1-7
03-3395-3795